19歳・斉藤立 初出場初V!亡き父生き写しの次男が柔道重量級復活へ衝撃デビュー

 衝撃のデビューVを飾った斉藤立
 男子100キロ超級決勝で攻める斉藤立(奥)=国際柔道連盟提供・共同
 ロサンゼルス五輪で金メダルを獲得した斉藤仁さん=84年8月(共同)
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 「柔道・グランドスラム(GS)バクー大会」(7日、バクー)

 男子100キロ超級で、五輪2連覇の故斉藤仁氏の次男、斉藤立(たつる、19)=国士舘大=が4試合オール一本勝ちで制した。斉藤はシニアのワールドツアー初出場で初優勝の快挙。日本男子の鈴木桂治監督(41)が重量級復活をテーマに掲げる中、3年後のパリ五輪をにらむ大器が代表争いに名乗りを上げた。          

 亡き父の生き写しのような19歳が、3年後に向けて鮮烈なインパクトを残した。

 五輪メダリストら一線級は出場していなかったが、斉藤は190センチ、160キロの巨体に似合わぬ俊敏さと技のキレで海外勢を次々と撃破。2回戦は18年世界選手権2位のコカウリ(アゼルバイジャン)を父直伝の内股で投げ切ると、決勝は第1シードのラヒモフ(タジキスタン)を支え釣り込み足で吹っ飛ばした。

 世界ランク圏外で、ワールドツアー初出場ながら4試合全て一本勝ちで優勝。底知れぬポテンシャルを感じさせるホープが衝撃デビューを飾った。

 10月から鈴木監督体制となった日本男子は、08年北京五輪を最後に金メダルから遠ざかっている100キロ超級の復活が最大の課題。期待のかかる斉藤には10月のパリ大会から練習相手として帯同させ、そのまま現地に残して海外選手との練習も課した。

 国内ジュニアでは無敵を誇ったホープだが、ここ2年は伸び悩んだ。大学入学直前の昨年3月には腰椎椎間板ヘルニアで入院するなど故障に苦しみ、コロナ禍で実戦機会にも恵まれず「柔道に対して全然だった」と気落ちした時期もある。鈴木監督は「普段の生活や稽古に甘えが隠れている。甘えを断ち切れ」と心を鬼にして、海外修行に送り込んだ。

 首脳陣が見つめる中で“親心”にしっかり応えた斉藤。試合後には自身のインスタグラムを更新し「応援ありがとうございました。次に向けて頑張ります」と先を見据えた。パリ五輪の主役になり得る大器。満を持して、ど派手に世界の重量級戦線に登場した。

 ◆斉藤 立(さいとう・たつる)2002年3月8日、大阪府出身。父はロサンゼルス、ソウル五輪男子重量級金メダルの斉藤仁さん(享年54歳)。5歳から柔道を始め、父直伝の体落とし、内股などが得意技。大阪・上宮中3年時の16年に全国大会を制覇。父と同じ東京・国士舘高に進んだ。初の国際大会となった18年2月のロシアジュニアで優勝。18、19年インターハイで連覇した。左組み。190センチ、160キロ。国士舘大2年。

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