【記者メモ】照ノ富士 数学オリンピック金メダルの頭脳で研究した成果

 「大相撲秋場所・千秋楽」(26日、両国国技館)

 新横綱照ノ富士(29)=伊勢ケ浜=が2017年春場所、稀勢の里以来、史上9人目の新横綱Vを果たした。1度もトップを譲らず大関、三役を置き去りの独走で今年3回目の賜杯。はや年間最多賞も決め、照ノ富士時代の到来を印象付けた。

  ◇  ◇

 照ノ富士は頭脳明せき。それも半端なレベルではない。モンゴル国内の数学オリンピックでは中学から出場しメダルは金1回、銀1回、銅2回。40分で40問を解き、4桁かける4桁の計算も余裕だ。2学年も飛び級で高2から大学に進学した。

 2010年3月に来日。鳥取城北高で相撲の基礎を教えた恩師、石浦外喜義校長も「勉強もすごい頑張る子。相撲じゃなくても、どんな道に行っても大丈夫だと思った」と、当時の秀才ぶりを思い出す。来日前2カ月で片言を話せ、授業も生活も日本語で支障はなかったという。

 同校長はよく覚えている。3年時の高校総体でレギュラーに大抜てき。大舞台は初めての照ノ富士が気がかりだったが「先生は何を心配しているのか」と本人は超強気。全勝で団体優勝に貢献した。

 「その時からここ一番は強かった。努力とか気にせずやるタイプ。ケガがあって遠回りしたけど、照ノ富士の人生にとってはいい経験。同じことをやり続ける強さが彼の才能。後輩も教師もみんな勇気づけられている」と同校の誇りだ。

 初土俵から各場所の自身の勝敗を照ノ富士はほぼ覚えている天才的な記憶力。怪力頼みから、理詰めの相撲への変ぼうは「24時間」相撲に向き合い、研究の成果でもある。(大相撲キャップ・荒木 司)

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