飾らない羽生結弦の“想い”大震災10年、故郷リンクで舞った「前を向くきっかけに」

 フィギュアスケート男子で14年ソチ、18年平昌五輪2連覇の羽生結弦(26)=ANA=が22日、日本テレビ系チャリティー番組「24時間テレビ44」に収録出演し、東日本大震災から10年の節目を迎えたことを受け、スペシャルアイスショー企画に参加した。感染防止対策のため無観客、最小限のスタッフで照明などの演出はなしで実施されたが、飾らない羽生の“想い”が画面越しに届けられた。

 自分にしか伝えられないことがある。そう信じ、羽生が力強く舞った。仙台市出身で自身も避難所生活を経験。今回のために特別に用意した淡いオレンジとラベンダー色の衣装で、震災時、氷上からスケート靴のまま避難した「アイスリンク仙台」から特別プログラムを届けた。

 VTRでは、金メダルを持って被災地を訪問した際の映像とともに、滑ることへの葛藤を抱えた当時の思いと、コロナ禍で抱く今の思いを重ねた。苦しい日常生活を送る人がいる中で「自分が滑っていいのか分からない時期はすごく長くあった」。昨季も繰り返し言及していた、心の葛藤。だからこそ「被災地を含めて今、コロナの状況が大変だと思っている。少しでも色んな方々が僕の演技を見て前を向くきっかけになったら」と話した。

 1曲目「ホワイト・レジェンド~白鳥の湖~」は東日本大震災後、初めて観客の前で滑った特別な曲。4回転トーループを着氷するなど、この10年で成長した自分、そして力強く生きていこうという思いを表現した。

 2曲目は男性ボーカルの「あなたは今笑えていますか?」という歌詞で始まる「花になれ」。コロナ禍で笑顔になる機会が少ない今だからこその選曲で、「一歩ずつ前に向けて歩いて行けるような気持ちになっていただけたら」。トリプルアクセルやイナバウアーなどで魅了した。

 クワッドアクセル(4回転半)の人類初成功を目標に掲げて迎える新シーズンは、22年北京五輪イヤーでもある。被災地からの声援、そして被災地への思いはいつも「前に進むための原動力」になっているという。ふるさとへの思いとともに、羽生は前へと進む。

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