宇良4年ぶり勝ち越し王手 鮮やか連続技で3連勝

 「大相撲名古屋場所・11日目」(14日、ドルフィンズアリーナ)

 2度の右膝手術を乗り越え、21場所ぶり幕内復帰した人気業師の宇良が難敵の霧馬山を肩すかしからすくい投げの鮮やかな連続技で破った。3連勝で7勝目を挙げ、2017年夏場所以来4年ぶり幕内での勝ち越しに王手をかけた。横綱白鵬が新小結若隆景を寄り倒し無傷11連勝に伸ばし、綱とりの大関照ノ富士も関脇御嶽海を一蹴し、全勝キープ。後続に3差がつき、V争いは両雄に絞られてきた。

 宇良の真骨頂だ。立ち合い、相手の左腕をたぐる。抱えられた後、狙っていた。左腕を抜いて肩すかしで崩し、土俵際、回り込んですくい投げ。キレキレの連続技で今場所の対戦最上位、前頭6枚目の成長株を転がした。

 リモート取材で鮮やかな逆転と問われると、返答を熟慮。そして「自分から仕掛けているので逆転とは思っていない」と、業師のプライドをにじませた。

 21場所ぶりの幕内。初日、「帰ってきたな、と実感」と感慨に浸ったが、10日目を終えた前日は「自分の体が持つか心配」と、体は悲鳴を上げていた。

 それでも、もう小兵ではない。2度の右膝じん帯断裂により宇良は変身した。故障前のアクロバット相撲から今は正攻法が基本。今場所7勝のうち、決まり手は寄り切り、押し出しで4勝。当時より20キロは重い143キロで相手を引かせている。

 稽古以上の「修行」だった。深夜にダブルチーズバーガーを詰め込み増量。「自分のやってきたことが間違いじゃなくて良かった」と復活に胸を張った。

 一方で「型にはまればやります」と代名詞の居反りも、いつでも出す準備はある。「あと一番頑張ります」。まずは勝ち越しへ、ニュー宇良が死力を尽くす。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス