羽生結弦 4回転半成功へ確かな一歩 国内初!公式練習で12度挑戦

 4回転アクセルに挑戦する羽生結弦の連続写真(代表撮影)
 公式練習で4回転半のジャンプに挑戦して転倒し、悔しそうな表情の羽生結弦(代表撮影)
2枚

 「フィギュアスケート・世界国別対抗戦」(17日、丸善インテックアリーナ大阪)

 エキシビションへ向けた公式練習で、五輪2連覇の羽生結弦(26)=ANA=が前人未到のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に挑戦した。12度挑み6度転倒。成功はなかったが、公式練習で挑むのは国内初だった。夢の大技成功へ、確かな一歩を踏み出した。

 果敢に挑み続けるその姿に万雷の拍手が送られた。硬い氷とスケート靴とがぶつかる衝撃音が響くと同時に、マスクの奥から悲鳴にも似た歓声が漏れる。羽生は45分中30分間を夢のクワッドアクセルの練習に充てた。

 深く腰を落として跳び上がる。計12度も挑戦した。それも、フリー「天と地と」の流れの中で。脳内で曲を再生し、冒頭に組み込む軌道を描きながら、羽生は6度も激しく氷に体を打ち付けた。四つんばいの姿勢で悔しがり、終了間際には着地足である右の靴をたたいた。残る6度は空中で回転がほどけ、一度も成功はなかった。

 羽生はクワッドアクセルを「王様のジャンプ」と呼ぶ。世界でいまだ誰も成功していない超高難度ジャンプ。基礎点は現在設定されているジャンプで最も高い12・50点を誇る。

 羽生も練習でもまだ一度も成功がないと語っているが、18年平昌五輪以前から4回転半成功を目標に掲げてきた。3月の世界選手権後には「最終目標は五輪で金メダルではなくて、あくまでも4回転半を成功させること」とも語った悲願だ。

 19年12月、トリノのGPファイナルで初めて公の場で4回転半に挑戦。SPとフリーの間の練習日、SPで約13点の大差をつけられ「絶望」する中だった。以来、公の場でのトライは2度目。練習とは思えないほどの温かい拍手が会場を包んだ。

 過去2度出場した国別対抗戦は、いずれも羽生にとって新ジャンプ習得の糸口となっている。15年には4回転ループ、17年には4回転ルッツを練習で挑み成功。翌年に公式戦で初成功を収めた。

 16日のフリー後には「来季、4回転半がそろった、完成された演技を目指して頑張っていきたい」と語った羽生。3月には「あと8分の1回れば立てる」と語っていたが、果たして-。22年北京五輪シーズンでもある来季へ、早くも確かな一歩を踏み出した。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス