池江璃花子 涙のV【一問一答】「今すごく幸せです」「勝てるのはずっと先のことだと」
「競泳・日本選手権」(4日、東京アクアティクスセンター)
女子100メートルバタフライ決勝が行われ、白血病からの完全復活を目指す池江璃花子(20)=ルネサンス=が、57秒77で優勝した。個人種目としての同種目の五輪派遣標準記録は切れなかったが、メドレーリレーの設定タイム57秒92は突破し、メドレーリレー代表入りを確実にした。
池江は、順位を確認すると、プールの中で涙した。場内インタビューにも、時折、言葉を詰まらせながら、心境を語った。
-3年ぶりの優勝。
「まさかは100で優勝できるとも思っていなかったですし…。5年前のオリンピック選考会よりも、ずっと自信もなかったし。自分が勝てるのはずっと先のことだと思っていたんですけど。勝つための練習もしっかりやってきましたし、最後は『ただいま』っていう気持ちで、このレースに入場してきたので、自分がつらくてしんどくても、努力は必ず報われるんだなって思いました」
-予選、準決勝、決勝とタイムを上げていった。
「予選、準決勝でターンが合わずに、改善点が逆にあるなと思っていたので。57秒台は出ると思っていなかったですし。(メドレー)リレーの派遣タイムも切れると思ってなかったので。すごく嬉しいです」
-5年前の代表選考会でもこの種目で涙されていた。その時とは違う涙だと思います。歩みを振り返っていかがですか。
「正直、この100のバタフライは1番戻ってくるのに時間がかかると思っていた種目でもあったので。本当に優勝を狙ってなかったので。でも(順位が)何番でも、ここにいることに幸せを感じようっていうふうに思って…。最後も仲間たちが全力で送り出してくれて。今すごく幸せです」
-「おかえり」の拍手が注いだ。
「自分にこの拍手が届いていると思ってなかったので。順位が決まった時は、すごくうれしかったですし、本当に言葉にできないです」
-メドレーリレーの派遣タイムを切りました。
「さっきも(5)7秒出ると思ってなかったと思ってなかったと言ったんですけど。出ても(5)8秒1とかかなと思ってた。本当に…本当にうれしいです」
-予想以上に戻ってきているという手応えもありましたか。
「ものすごく自信のついたレースでもあったので。(メドレーリレーの)派遣(タイム)は切れたんですけど、代表に入れるかどうかはまだ分からないので。しっかり、100の自由形も残っていますし、あと3本あるので。気を抜かずに頑張りたいなというふうに思っています」