長男の質問攻めにも真剣対応…井上康生監督、古賀稔彦さん人柄しのぶ「すごい方」

 柔道男子日本代表の井上康生監督(42)が30日、オンラインで取材に応じ、24日に53歳の若さで死去したバルセロナ五輪男子71キロ級金メダリストの古賀稔彦さんへの思いを語った。「子供の時の憧れでありスターだった。特にバルセロナでの勇姿や、全日本選手権で無差別の戦いでの(中量級ながら準優勝した)勇姿は、私の心に大きく刻まれている」と明かした。

 柔道家としての憧れと同時に、飾らない人柄がしのばれるという。井上監督自身が中学生の時、地元宮崎を来訪した古賀さんに稽古をつけてもらう機会に恵まれた。「中学生相手に妥協せず稽古をつけていただいた感激と、終わった後に『お前本当に強いな。頑張れよ』と気さくにお話ししていただいた。試合会場で会うと、どこでも明るく元気に言葉を掛けていただき、大きな力をいただいた」。

 飾らない人柄という印象をさらに強くする出来事もあった。最近では、井上監督の長男が古賀さんと話す機会があって質問攻めにしたものの、その一つ一つに丁寧に答える姿が印象に残っているという。「いつも柔道に関しては熱い話をしてくれ、明るく元気に気さくに接してくれた。本当にすごい方だったんだなと改めて感じている」と故人をしのんだ。

 「53歳という若さで、まだまだやりたいことはたくさんあったんじゃないかと思うと非常に残念でならないが、古賀さんの柔道への思いは我々がしっかり受け継いだ上で、さらなる柔道界の発展のために頑張っていかないといけないと改めて感じている」。今日の日本柔道をかたちづくった「平成の三四郎」の魂も背負い、今夏の東京五輪を戦い抜く。

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