２４日にがんのため５３歳の若さで死去した、１９９２年バルセロナ五輪柔道男子７１キロ級金メダリストの古賀稔彦さんの通夜が２８日、川崎市内の寺院で営まれた。柔道関係者をはじめ約３０００人が参列し、「平成の三四郎」との早すぎる別れを惜しんだ。

　遺影として、バルセロナ五輪決勝で勝利が決まった瞬間にガッツポーズする写真など３枚が並んだ。また、古賀さんはひつぎの中で、白い柔道着に黒帯姿で収められているという。

　古賀さんの戒名は「金剛院献柔稔制大居士」となった。代名詞の豪快な一本背負いに代表されるように、古賀さんのスタイルである“柔よく剛を制す”から「剛」「柔」「制」の３字が取られ、さらに金メダルの「金」や名前からの「稔」も入り、「日本柔道に貢献された」という意味が込められた。

　参列した全日本柔道連盟の山下泰裕会長（６３）は「まだまだ柔道界でやり残したことがたくさんあったと思う。日本柔道も古賀さんに上から笑顔でほほえんでもらえるように頑張っていきたい。安らかにお休みいただきたいです」と故人をしのんだ。