羽生結弦が男子SP首位発進!2種類4回転成功!106・98点まさかチェン転倒
「フィギュアスケート・世界選手権」(25日、ストックホルム)
男子ショートプログラム(SP)が行われ、五輪2大会連続金メダリストで、4年ぶり3度目の世界選手権優勝を目指す羽生結弦(26)=ANA=は106・98点でトップに立った。ライバルと目されているネーサン・チェン(米国)は転倒があり、98・85点で3位。日本の鍵山優真(17)=星槎国際高横浜=が、ほぼ完璧な演技で自身初の100点超えで、100・96点をマークし、2位につけた。
羽生結弦にしか描けない、明るく輝く世界が、そこにはあった。SP「レット・ミー・エンターテイン・ユー」は、暗くなりがちなコロナ禍の世界を「明るく」照らしたいという思いから選んだロックナンバー。冒頭の4回転サルコーを着氷。続く4回転トーループ-3回転トーループの連続ジャンプ、演技後半のトリプルアクセル(3回転半)と全てのジャンプを決めた。
今季初戦だった全日本選手権では、規定の回転数を満たさず0点扱いとなった足替えシットスピンも、最高評価のレベル4を獲得。出来栄えで1・20点の加点を引き出した。
得点を確認すると、小さく首をかしげたが「今日は今日で出し切れた」と羽生。首位でSPを終えた。
この3月で、東日本大震災から10年の節目を迎えた。羽生はこれまで支えられた言葉として、あえて「頑張ってください 僕も、頑張ります」とコメントした。頑張りたい理由が心の底にある。だから戦い続けている。
世界トップの争いを繰り広げてきたチェンとの対決は過去4勝4敗。19年3月の世界選手権、同年12月のGPファイナルと現在2連敗中だ。しかしこれまで逆転勝ちは一度もなく、SPでリードした者の勝率が100パーセント。4年ぶりの王座奪還へ、舞台は整った。
「万全の体調にして、フリーでも表現したいこと、自分が目指している演技を一つ残らずここに置いてこられたら。プログラム自体から感じられる背景や、皆さんの中に残っている記憶や思い出が少しでも想起させられるものになったら」。
世界が苦しんだ、このコロナ禍。厳しい状況でこそ、羽生は強さを発揮する。