照ノ富士 大関復帰に王手「尊敬する横綱」鶴竜への恩を胸に逆転Vへ 首位に1差接近

 「大相撲春場所・11日目」(24日、両国国技館)

 再大関とりの照ノ富士は隆の勝との関脇対決を寄り切りで制し、8勝目(3敗)を挙げ勝ち越した。昇進目安の三役3場所計33勝へ王手をかけた。単独トップの小結高安が大関正代に突き落とされて2敗目。大関朝乃山、照ノ富士、平幕翔猿の3人が3敗で1差に接近し、高安を追う。11日目で初めて3大関が安泰だった。

 鶴竜への恩を胸に、照ノ富士が大関復帰に王手をかけた。2戦2敗だった隆の勝に奇襲。右の差し手をたぐって半身にさせ盤石の左上手で仕留めた。前日志摩ノ海に敗れ、嫌な流れを断つ8勝目。「体が勝手に動いた」と、気迫があふれた。

 モンゴルの先輩横綱には新弟子の頃から稽古で胸を借り私生活も含め多くを教わった。「尊敬する横綱。何事にも真面目に取り組む。自分もやらないといけない気持ちになった」とお手本だった。

 大関時代の15年秋場所、優勝決定戦で敗れた。「もう1回相撲を取りたかった」との思いはかなわなかった。

 まずは今場所、大関を奪還し自身が時代を築く。「これから次の世代の自分らが頑張らないといけない」と誓った。トップに1差接近し逆転Vの可能性も十分ある。

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