ラグビー女子W杯、コロナ禍で今年の開催を断念し1年延期「世界は未だ危険な状況」

 ラグビーの国際統括団体ワールドラグビー(WR)は9日、ニュージーランドで2021年に開催予定だった女子W杯を2022年に延期して開催することが正式に決まったと発表した。ニュージーランドラグビー協会、ニュージーランド政府、そして参加協会が協議を重ねた末、決定した。

 延期理由は新型コロナウイルスの影響によるもので、その理由は以下の通り。

 (1)選手、スタッフ、大会関係者など600人以上を超える人々の安全で確実な渡航・移動ができるかどうか不確実。

 (2)ニュージーランド到着後の14日間の隔離と検疫があり、大会に向けた準備を行う環境が確保できない。

 (3)全員集合してトレーニングができない、またはテストマッチができない状況が1年以上続いているチームもあり、すべての出場チームが十分に準備できるかどうか不確実。

 (4)渡航制限、国により異なる検疫条件のため地区予選が完了できていない。

 (5)現段階で国内外の観客を十分に試合に招待できる保証ができない。

 (6)大会開催までの6カ月間で起こりうる新たなリスクに対応する余裕に限界があり、最悪の場合、大会延期ではなく即座に「中止」という結果になる可能性もある。

 WRのビル・ボーモント会長は「あくまでも皆さまのウェルフェア(身の安全・福祉)、ウェルビーング(健康)を考えた決断」「新型コロナの変異株や、続くロックダウンは世界が未だ危険な状況を脱していないということを示しています」とまず安全、健康面の問題を指摘した。

 さらに「1年間延期する中で世界中のワクチン摂取プログラムの実施が進み、渡航制限やニュージーランド国内の移動で課せられる条件などの負担が軽減される状況を迎えることができます」とコメント。200万ポンド(3億円超)以上を投資して2022年の運営に備える考えを明かした。

 延期された女子W杯の大会日程は、大会主要関係者の協議の末に発表される。

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