高木美帆5冠!異次元の強さで全種目制覇も「5本走り切れたことの方が達成感」

 「スピードスケート・全日本選手権」(30日、明治北海道十勝オーバル)

 18年平昌五輪で3つのメダルを獲得した女子の高木美帆(26)=日体大職=が1500メートルと5000メートルで優勝し、今大会全5種目制覇を成し遂げた。世界記録を持つ1500メートルは自身の国内最高を更新する1分54秒08、5000メートルはリンク新記録の7分7秒33。5種目中4種目でリンク新記録、うち2種目は国内最速をマークする異次元の強さで大会を終えた。

 最終種目の5000メートルを滑り切った高木美は、ふらふらになりながらも右の拳を握った。「もう無理ぃ…」。疲労困憊(こんぱい)。リンク脇に倒れ込み「しばらく目が回っていた」という。ヨハンコーチからも「俺はヨハンだよ、分かるか?」と声を掛けられるほど。それほどまでに5種目、3日間を全力で駆け抜けた。その結果が全5冠の偉業だ。

 今季は夏場に膝を痛めた影響で出場種目数を制限するところからのスタート。「5冠できたことより、5本走り切れたことの方が達成感がある」というのが本音だろうが、ターゲットとしていたこの年末に照準を合わせ、500メートルから5000メートルの短中長距離すべて国内最速レベルまで状態を戻してみせた。

 「個々で見ると、1つ1つ、すごい高い点数をあげられるレースは多くなかった」。課題も伸びしろも感じているが「ハードなスケジュールを滑り切れるだけの体を作ることができたのが、一番の収穫」と高木美。日本スケート連盟の湯田淳強化部長も「国際大会での、最もいい色でのメダルに(近い)かなりいい好タイム。全距離で高いパフォーマンスを発揮しているのがすごい」と高く評価した。

 今季は新型コロナウイルス禍の状況を鑑み、日本スケート連盟は国際大会への派遣見送りを決めている。今後も国内での調整が続くが「(海外選手の)結果を見て刺激を受けながら、スケートに取り組んでいる。モチベーションで心配になることはない」。21年のこの大会は、22年北京五輪の選考会。大舞台をイメージしながら、己との戦いは続く。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス