「フィギュアスケート・ＮＨＫ杯」（２７日、東和薬品ラクタブドーム）

　男女ショートプログラム（ＳＰ）が行われ、１８年平昌五輪代表の坂本花織（２０）＝シスメックス＝が、ほぼ完璧な演技をみせ、７５・６０点で首位発進を決めた。１８年世界選手権銀メダリストの樋口新葉（１９）＝明大＝が６９・７１点で２位。山下真湖（１７）＝中京大中京高＝が３位につけた。２季ぶりのＧＰ出場となった三原舞依（２１）＝シスメックス＝は７位、本田真凜（１９）＝ＪＡＬ＝は９位。

　充実感と悔しさの両方をかみしめ、樋口はフィニッシュポーズを決めた。「（トリプル）アクセルを跳びたかった」という無念さが募った一方「転んだけど、その後落ち着いて跳べたのがうれしかった。半分半分の気持ちでした」。冒頭のトリプルアクセルは転倒となったが、その後の３回転ルッツ－３回転トーループは着氷。演技後半の３回転フリップもしっかりと決め、貫禄の演技を見せた。

　ＳＰでトリプルアクセルを投入するのは初。ジャンプの安定感も日に日に増す中、２２年北京五輪を見据えて難度を上げていく必要性も感じていた。「ＮＨＫ杯は何も懸かっていない。いろんなことに挑戦できる」と、岡島功治コーチとも話し合い、１週間ほど前に決断したという。

　「緊張感はどの試合よりもあったけど、感覚をつかんだり、試合の雰囲気で跳ぶのはすごくいい経験になった」。首位とは５・８９点差。大技が決まれば逆転は十分可能なだけに「自信を持って跳びたい」と力を込めた。