宇良1155日ぶり関取勝利 2度の右膝手術乗り越え「緊張しました」

錦富士を送り投げで破り、初日白星を挙げた宇良=両国国技館(撮影・西岡正)
錦富士を送り投げで下した宇良(右)=両国国技館(撮影・三好信也)
錦富士(下)を送り投げで破る宇良=両国国技館(撮影・西岡正)
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 「大相撲11月場所・初日」(8日、両国国技館)

 2度の右膝手術を乗り越え、18年初場所以来16場所ぶり十両復帰した人気業師の宇良(28)=木瀬=が錦富士(伊勢ケ浜)を送り倒して、17年秋場所初日、幕内で正代(時津風)を取ったりで破って以来、1155日ぶりの関取勝利を挙げた。

 低い立ち合い、潜り込んで速攻。相手を後ろ向きにして、土俵に転がした。自身も勢い余って、相手に馬乗り。気迫あふれる復帰星に館内、割れんばかりの拍手に包まれた。

 「緊張しました。(気迫は)言われたことがないのでうれしい。本当、場所前から十両で生き残りたい気持ちと、ケガなく15日間取り切ることだけしっかり達成できるように臨んだ。(白星は)うれしいけど14日残っているので。うれしいですけど」と振り返った。

 十両土俵入り、トレードマークのピンクの締め込み。「いつもとは違う感じがした」

とかみしめた。

 「技」一文字がデザインされた新たな化粧まわしは福岡県行橋市の難病に苦しむ女性、酒井佐々津恵さん(88)から関取復帰のお祝いで贈られた。ファンレターのお礼に手形をプレゼントしたことが縁で交流。「15日間取り切っての話。初日に勝ったからといって浮かれることなくやっていく」と、自身の奮闘で闘病への勇気をまだまだ届けたい思いだ。

 元幕内力士が序二段まで降下し再び関取に戻るのは元大関の小結照ノ富士(伊勢ケ浜)以来2人目。「自分ができるのは健康管理しかない」と細心のケアで残り14日間を戦う。

 宇良は奇手“居反り”の使い手として関学大から角界入り。多彩な技とスピードを武器にスピード出世した。しかし、17年秋場所、右膝前十字靱帯(じんたい)を断裂。手術を行い、6場所連続で休場。18年秋場所、三段目で復帰した。

 昨年初場所、幕下まで戻ったが古傷の右膝前十字靱帯(じんたい)を再び断裂。同2月下旬に前回同様、腱の再建手術を行った。

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