高木美帆が5連覇 「無心で」大会新!夏場に膝痛めるも“脱能力”の走りに手応え

 「スピードスケート・全日本距離別選手権」(25日、エムウエーブ)

 女子1500メートルは世界記録保持者の高木美帆(26)=日体大職=が1分54秒81の大会新記録で5連覇を達成した。18年平昌五輪団体追い抜き金メダルメンバーの佐藤綾乃(ANA)が1分56秒89で2位、小平奈緒(相沢病院)が3位だった。男子は一戸誠太郎(ANA)が日本記録を持つ1500メートルを1分46秒33で優勝。1万メートルは13分28秒94で蟻戸一永(専修大)が制した。

 フーッと息をつき、スタートラインに立った。高木美は安定して速いペースを刻み、大会新記録でフィニッシュ。最後1周は足が固まったというが「無心で滑った。今できる中では、まずまずイメージに近いことができた」。一瞬天を仰ぎ、安ど感をにじませた。

 世界記録を持つ得意種目。夏場に膝を痛め、滑り込みは不十分ながら「今まで相当な数滑ってきた自負はあった。気持ちを強く持とうと思っていた」。体に染みこんだ感覚は、やはり正直だった。

 今大会のテーマは「効率よく、上手に」。元来、高い身体能力を生かした走りが持ち味だったが、練習不足だからこそ、少ない力で加速しスピードを殺さない“脱能力”の走りを模索した。一定の手応えをつかみ「今後も生かせる」。逆境すらチャンスに変え、さらなる成長を遂げる。

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