やり投げ・ディーン元気、東京でメダル獲る 苦節8年…フィンランド武者修行で進化

 陸上男子やり投げで2012年ロンドン五輪代表のディーン元気(28)=ミズノ=が22日、兵庫・尼崎市内で報道陣に練習を公開。フィンランドで学んだ筋肉の瞬発力を高めるトレーニング方法「プライオメトリクス」などを行った。16年リオデジャネイロ五輪の出場を逃すなど、長く故障に苦しんだが、今季は7年ぶりに80メートル超えを記録するなど復調。ロンドンと東京という両親の母国での五輪出場へ、強い意気込みを語った。

 苦節8年は、進化への助走だった。ロンドンで86キロだった体重は今100キロ。しかし、「助走速度は(12年の)自己ベストの時と比較して向上している。重くて動けるというのは難しいが、動かせる神経のトレーニングなどでしっかり体が動いて投げられる」とディーンは自己分析した。

 8月の「セイコー・ゴールデングランプリ」では、7年ぶりの80メートル超えとなる84メートル05で優勝。10月の日本選手権でも、ライバルの新井涼平に敗れはしたが、80メートル07で2位と好記録を出した。

 ロンドン五輪後は右脇腹や右肩、左腰などの故障に見舞われ、長く苦しんだ。今季復調した大きな要因となっているのが、昨年11月から2月まで滞在したフィンランドでの武者修行だ。やり投げ大国ではナショナルコーチのペッテリ・ピーロネン氏の指導を受け、この日の公開練習でも、現地で学んだ「プライオメトリクス」の一つを見せた。上半身のベルトで下方に強い負荷をかけ、ジャンプなどを繰り返す。足の接地時の反射速度が向上するという地道なトレーニングで、重ければ速くは動けないという常識を打ち破り「日本のやり投げが進化できるヒントは得られた」と活路を見いだした。

 フィンランドから南アフリカへと渡った海外修行は、成績が出せない中で一念発起したクラウドファンディングが資金となった。100万円の目標額に93人から計124万7000円。「これだけ期待してくれている人がいる」と改めて五輪への思いに火がついた。

 前回のロンドン五輪は父ジョンさんの母国。そして、東京は母博子さんの母国。「自分は運を持っている。それを実現できるのは自分しかいない」とディーン。「東京では自己記録を出してメダルを獲得したい」。さらなる進化を目指し、来月にはまたフィンランドへと身を投じる。

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