貴景勝かど番脱出 観客の拍手「120%力を出させてくれた」

 「大相撲7月場所・11日目」(29日、両国国技館)

 大関貴景勝は関脇御嶽海を押し出し、勝ち越しを決め、かど番を脱出した。

 大関の意地と誇りが貴景勝の体を突き動かした。立ち合い頭で当たって御嶽海を押し込む。相手が引きに転じたが、お構いなしに前へ出ていき、腹から土俵に落ちながらも白星は手放さなかった。

 11日目にしてようやくかど番を脱出。膝のけがに苦しみ、夏場所が中止になったことでかど番の期間が長引くなど精神的にもきつい状況だったが、強い心で乗りこえた。「(大関から)落ちたら力がないってこと。あまり考えずにいきました。お客さん(の拍手)が120%力を出させてくれた」。八角理事長は「けがで稽古ができなかったと聞いている。ほっとしただろう」と思いやった。

 3敗グループにいるが、まだ優勝の可能性は消えていない。残り4日間へ向けては「自分が納得できる相撲を取りたい」と前を向いた。

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