“親子3代幕内”の琴ノ若、おうち時間は父と祖父の映像研究「吸収していきたい」
「大相撲7月場所」(19日初日、両国国技館)
“親子3代幕内”の琴ノ若(22)=佐渡ケ嶽=が11日、千葉県松戸市内の部屋で幕内琴恵光、琴勝峰らと15番以上の申し合い稽古を行い、調整した。稽古後、電話取材に応じ、「体は相撲を取らない間もしっかりと動かしてやっていたので、そこまで違和感とかはない。いい感じでいっている」と語った。
相撲を取る稽古は「1、2週間前から」再開した。先場所後、3カ月は基礎運動中心の日々だっただけに喜びも大きかった。
「一番一番、大事にいこう。申し合いがないからって稽古を休んでいたわけじゃないので。基礎とかを見つめ直してやってみて、いざ相撲を取ってみたときに、自分の中でどんだけ成長しているのか、見られるので、楽しみの方が大きく、稽古に取り組むことができた」という。
申し合い中のテーマは「立ち合いだったり、立ち合いの踏み込みの速さだったり、その中の流れの中の相撲。体の反応をうまく、しっかり反応するように癖を付けるような感じで、同じことの繰り返しだけど、それをしっかりとやっている」と話した。
祖父は元横綱琴桜、父は師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)。先場所は祖父も父も果たせなかった新入幕での勝ち越しを果たした。「そこらへんはあまり意識せず、新入幕らしく思い切って相撲を取れればいいと思った。しっかり出し切って、やれたとは思っている」と、うなずいた。
外出は禁止が続き、部屋で過ごす時間も増えた。「5月は晴れが多かったので、屋上にプールを組み立てて、みんなでプールに入ったりとか。たまにいただいたお肉を使ってみんなでバーベキューとかしてましたね」と、リフレッシュした。
プールは琴ノ若自身が「1万ちょっと」で購入。「力士でもけっこう入れますよ。5、6人とか。大きめのを買いました。買ったのは今年が初めて。ちょうど自粛期間だったので、何かできることはないかと思って買いました。みんなそろってリラックスできるかな、と思って買いました。最初は自分が入りたくて買ったんですけど。けっこう大きかったので屋上でも使えるかと思って。みんな喜んで毎日のように使っていました」と笑った。
部屋の関取“3代目”ならでは、の若い衆への気遣いでもあった。
「アイシング的な目的もあって。稽古して体に熱を持ってしまうとあれなので。お風呂の水だけじゃ取れないこともある。そういうのも兼ねて水につかれれば。みんなで入りながら大きいのに入れますし、体もケアもできる。タイミング的にもちょうどいいかなと」
“おうち時間”は先代や師匠の現役時の映像も見て研究。「今、自分の相撲にそこまでとらわれずに、いろんな形があるので、先代の相撲だったりを見ています」という。
先代は猛牛と呼ばれ、激しい押しを得意とした。「チャレンジというか、ああいう出足というか、相撲のタイプが違っても見習う、吸収できるところがあると思う。そういうのをどんどん吸収していきたい」と意気込んだ。
7月場所へ向け、「場所があると思ってしっかり体を準備してやっているので、まずは勝ち越しを目指して、その後まだその上があるので、1勝でも多く勝てるように頑張りたい」と話した。