東京五輪組織委 8万人のボランティアにアンケート 感染症対策に不安の声も

 東京五輪・パラリンピック組織委員会は10日、新型コロナウイルスの影響により来夏に延期された大会の運営をサポートする約8万人のボランティアに対してアンケートを実施していることを明らかにした。

 本来なら大会に向けた研修や活動を行時期だったものの、コロナ禍により対面が難しい状況にあることから、コミュニケーションを絶やさないため、アンケートという形を取った。7月1日にスタートし、21日までに任意で回答。項目については(1)来年の活動に向けてどのようなことに取り組んでいるか(2)活動を通じてチャレンジしたいこと(3)同じフィールドキャストの仲間へのメッセージ、などとなっており、10日間で1万3000の回答が得られた。

 回答には「コロナの状況もあるけど、いろいろな生活様式は変化するけど日本の良さは変わらないので、世界に発信されるように心を込めてすべての皆さんをお迎えしたいと思う」「お互いに油断せずに、成功に向けて自分にできることを精いっぱいやりましょう」「延期になったけど、新たな語学の勉強をしようと思ったりして、時間ができたことを前向きに捉えて頑張っている」など、個々のさまざまな思いがつづられていたという。

 組織委の山本隆副事務総長は「いただいた回答は今後、組織委員会とボランティアとの間でコミュニケーションに役立てたい。来年もボランティアの皆さまにやりがいを感じ、楽しみも感じながら活動していただけるように引き続きしっかり準備を進めていきたい」と話した。

 また、アンケートには「活動で心配なことや不安なことはあるか」という項目も設けられた。山本副事務総長は「不安なことで多かったのは感染症対策。ボランティアを含むすべての大会スタッフの感染症対策は、今後の組織委会全体のコロナ対策の一つとして検討していくことになる」と話した。

 今回のアンケートはコミュニケーションの継続を目的としている。組織委はボランティアに対し、来夏への延期が決まる前の3月2日以降に、役割や会場についての通知を送り、必要な延べ人数に対して、ほぼすべての人から承諾を得られた。今後、延期された大会の開催に関する詳細なスケジュール、会場が確定した後、承諾した人に対して、あらためて大会参加に関する意思確認を行う。

 東京大会は簡素化が検討されている。ボランティアの人数が減る可能性について、山本副事務総長は「活動に参加したいという意思は尊重したい」と話した。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス