正代が抱く大関への思い 貴景勝、朝乃山に「負けたくない」

 「大相撲7月場所」(7月19日初日、両国国技館)

 東関脇の正代(28)=時津風=が25日、都内の部屋で稽古後、電話での代表取材に応じ、大関への思いを語った。後輩の貴景勝や朝乃山が先に大関昇進。「それなりに刺激といいますか受けてはいると思うんですが、正直あまり考えて相撲が取れるタイプではないので、変に意識しすぎても良くないのかなあと。でも負けたくない気持ちはある。対戦したときはすごい気合が入ると思う。(朝乃山は)大関にまで上がるということは、それなりに実力もあると思いますし、努力している、違う努力をしている部分もあると思うのでそこは見習いつつ、自分も上がりたいという気持ちは今まで以上に強くなった」と気合をみなぎらせた。

 自己最高位で一つ上の大関という番付はもちろん意識。「全力士が目指す場所。力士としては特別な地位。がむしゃらに狙ってもなれるものでもないと思うし、自分のペースとか自分のやり方は乱さないように、そして悔いのない相撲を取って、それでついてきたらいいと思う。どんな結果になっても悔いが残らなければいい」。

 故郷熊本の熱い声援は常に力に上を目指すのみ。「ちょっと前に地震もありましたし、まだ地震の傷跡も残っていますし、自分にできることがあるんだったら率先してやっていきたい。変に地元のためと大きなことを言うつもりはないんですけど、自分の相撲を取り切って地元の人が喜んでくれるんだったら、こんなにうれしいことはないと思います」。

 5月は故郷で東京五輪の聖火リレーの走者を務める予定だった。「本来だったら(春)場所後は実家に帰ってゆっくりしてるはずだったんですけど、コロナの関係で自分たちは発症してなくても菌を持っている可能性もある。帰るのはずっと控えているんですけど、いつも帰ってた分、帰れない期間が続くと地元のありがたみを感じます。聖火リレーというすごい大役を預かっているので、できれば走りたかったですけど、正直来年のオリンピックの期間次第では走れない可能性も出てきたので、残念ではありますけど、正直、僕だけじゃなく、聖火リレーに選ばれている人、みんながそういう同じ気持ちだと思うし。どうですかねえ。まあ走れないと決まったわけではないので、期待はしつつも、もし走れるタイミングでオリンピックが開催されるんでしたら是非走りたいですけどね」と、来年に再びチャンスが巡るのを期待する。

 4月に兄弟子の元関脇豊ノ島が引退して井筒親方となり、指導を受ける。「やっぱり、ずっと引っ張ってもらていた先輩。自分が入門したときから部屋を引っ張っていらしゃったので、その人が引退されるとなると自分とか豊山が部屋を引っ張っていかないといけない。今まで任せきっていた部分が自分たちに降りかかってきたといいますか、自分たちがもっとしっかりしなくちゃなと思う。(若い衆への)指導もそうですし、胸を出したりしなくちゃなと。気持ちはだいぶ強くなりましたね。今は井筒親方として指導に当たられているんですけど、すごい面倒見がいい方なので、すごい教え方も的確ですし、現役時代からすごくお世話になっているので、そこは相変わらずすごい頼り切っているところがありますけどね。自分とか豊山はすごい期待されていると思うので、その期待に応えられたらなあと思っているんですけどね」。

 7月場所へ向け、「やっぱり無観客の予定じゃないですか。テレビで相撲を見られる方がすごい多いと思うので、テレビで見ている人に伝わるくらい迫力のある相撲だったり、元気のある相撲を取りたい。皆さん自粛されていると思うので、何か一つ引きつけられたり、面白い相撲が取りたい。テレビの画面越しでも伝わるくらいいい相撲を取れたらなと思う。今まで以上に注目されていると思うので、その期待に応えたい」と力を込めた。

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