新大関の朝乃山、角界も故郷も元気にする 夏場所不透明も「コロナに負けない」

 「大相撲夏場所」(5月24日初日、両国国技館)

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で2週間延期した夏場所の新番付が27日、発表され、新大関の朝乃山(26)=高砂=が西に就き2場所ぶりに東西大関がそろった。晴れの舞台は、接触を避ける形で異例の電話取材で対応。開催が不透明な中、広がり続ける感染状況に不安をあらわにしながらも、「コロナに負けない」と看板力士として引っ張ることを誓った。相撲協会はウイルス禍の状況次第で、夏場所の無観客開催や中止を検討する。

 新大関の晴れ舞台のはずが、報道陣はおらず代表者の電話取材だけ。異例の状況ではあったが、朝乃山は記念の番付表を手に、太くなった自身のしこ名をかみしめた。

 「一つの目標としてきた大関を達成でき番付を見て実感した。うれしかった。もっと引っ張っていきたい気持ちにもなった。相撲界を盛り上げていきたい」と、所信表明した。

 夏場所は開催すら不透明だが、新大関としては責任を果たすのみ。「変わらず挑戦者の気持ちを持って、前に出る相撲を取る。世の中、皆さんが自粛して苦しい中、一人一人が相撲を取っている姿を見せれば皆さん元気になると思う」と意気込んだ。

 世界中に感染が拡大する中、力士は対戦前に出身地がコールされ、故郷を思い戦う存在だ。「一人一人の出身県(出身地)のために頑張ればいい」と自身も地元富山を背負う。

 富山出身では太刀山以来111年ぶりの新大関。「コロナに負けないで一緒に頑張りましょう。大関で終わったわけじゃない。あと一つ上がある。向上心を持っていく」と太刀山以来の横綱昇進を誓った。

 国内の感染状況は終息が見通せず、今夏の高校総体も中止になった。「高3は最後だし、気持ちを切らさないでほしい。気持ちが切れたらそこで終わり。プラス思考に考えて進んでほしい」と心中を思いやった。

 角界でも高田川親方(元関脇安芸乃島)、弟子の十両白鷹山ら6人の新たな感染が25日に判明した。「自分自身も怖い。芸能人も亡くなっている。東京はすごい感染者。自分らがなってもおかしくないレベル」と不安は増している。

 稽古は接触を避けるためぶつかり、申し合いは禁止されている。これまでは基礎運動で鍛えてきた。調整は難しいが「力士みんなが我慢。24日の初日に体を合わせていきたい」と、あくまで本番を見据えた。

 昨年、初優勝を果たした夏場所。「常に優勝争いに加わらないと上も目指せない」と夏連覇、新大関Vへ意気込んだ。

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