鶴竜が執念星!白鵬と相星決戦へ「ここまで来たらやるだけ」

 「大相撲春場所・14日目」(21日、エディオンアリーナ大阪)

 大関とりの関脇朝乃山が横綱鶴竜を追い込みながら逆転の下手投げに屈し、4敗目(10勝)を喫した。横綱白鵬が平幕碧山を一蹴し、鶴竜と2人、トップ12勝で並んだ。優勝は13年九州場所以来となる千秋楽、横綱同士の相星決戦で決定する。

 額の右側に小さくにじんだ血が、横綱の執念を雄弁に物語っていた。土俵際、鶴竜が左下手、朝乃山は右上手で投げを打ち合った。左肘を出した関脇に対し、横綱は「自然とそうなった」と頭から落ちた。軍配は朝乃山に上がったが、物言いの末、差し違えで鶴竜が際どい白星を拾った。

 協議の結果を待つ間も「しっかり見えていたので大丈夫だと思っていた」と勝利を疑うことはなかった。前回の反省も生かした。2019年秋場所の対戦では無理に投げを打った隙を突かれ、寄り切りで土をつけられた。「そういうことがないように落ち着いて持ち直した」と、巻き替えてもろ差しに持ち込んだ。

 7度目の優勝を懸けた千秋楽は、2敗で並ぶ白鵬と50度目の対戦となる。横綱同士の千秋楽相星決戦は2013年九州場所の日馬富士-白鵬以来6年4カ月ぶり、1場所15日制が定着した1949年以降25度目となる。「ここまで来たらやるだけ」。決意は簡素に締めくくった。賜杯を譲るつもりはない。

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