コロナ陰性で復帰の千代丸 元気“一敗”4日ぶり雄姿ファンに届けるも…珍しく無言

 「大相撲春場所・11日目」(18日、エディオンアリーナ大阪)

 新型コロナウイルス検査で陰性だった平幕千代丸が4日ぶりに再出場し、平幕琴奨菊に寄り切られた。40度の高熱から快気祝いの6勝目はお預けとなったが、ファンも安どの元気な姿を見せた。前日初黒星の横綱白鵬が小結北勝富士を押し出し10勝目。平幕碧山も新入幕琴ノ若を突き出し、1敗で白鵬とトップを並走する。大関とりの関脇朝乃山は平幕竜電を寄り切り9勝目を挙げた。トップと1差の2敗勢は横綱鶴竜、朝乃山、平幕御嶽海、隆の勝の4人。

 千代丸は気迫全開、もろ手で突いた。琴奨菊相手にもろ差しを許して寄り切られ、快気祝い星はならなかった。だが、心配していた全国の“千代丸たん”ファンへ、4日ぶりに元気に相撲を取る姿を届けた。

 感染防止のため力士と約2メートルの間隔がある取材エリア。殺到した報道陣の呼びかけには、まだ病み上がりのためか、珍しく無言だった。報道陣に左手をかざし、申し訳なさそうに通り過ぎるマスク姿に人柄がにじんだ。

 十両以上の関取で初の発熱休場となり、騒動は過熱した。14日夜に38・6度、15日に39・7度の高熱で休場すると、16日は40度に上昇。念のため新型コロナウイルス感染を判定するPCR検査を受け、結果は陰性だった。

 17日には37・7度まで熱が下がった。足などから細菌が入る蜂窩(ほうか)織炎と診断。蜂窩織炎ならば他人にうつることはなく再出場が決まった。

 陰性結果が出るまで宿舎で隔離生活を送っていたが、この日朝、大阪市内の稽古場に下り、体を動かした。実弟の十両千代鳳は「早く戻ってもらわないと困る」と、ずっと心配していた。兄弟、部屋の仲間みんなが復帰を待っていた。

 今場所は37・5度以上の発熱が2日続けば休場の措置が取られる。発熱が続けばPCR検査を受け、協会員で1人でも感染者が出れば打ち切りとなる。非常事態の場所で“コロナ騒動”を払しょくし、帰ってきた千代丸。5勝を挙げており勝ち越しも十分可能。ファンをとりこにする愛らしい笑顔を何度でも見せたい。

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