2019年度ホワイトベア・スポーツ賞受賞者決定 3人の世界王者に特別賞はラグビー日本代表

 アマチュアスポーツの振興と技術、記録の向上に尽くし、功績のあった選手、指導者に贈られるデイリースポーツ制定「ホワイトベア・スポーツ賞」の2019年度受賞者が決まった。

 昨秋の陸上世界選手権(カタール・ドーハ)男子50キロ競歩で金メダルを獲得した鈴木雄介(富士通)、同じく男子20キロ競歩を制した山西利和(愛知製鋼)、トランポリン世界選手権(東京・有明)で優勝した森ひかる(金沢学院大学クラブ)と、3人の世界王者が受賞。特別賞に、昨秋のラグビーW杯で初めて8強入りしたラグビーワールドカップ2019日本代表を選んだ。

 「ホワイトベア・スポーツ賞」は1962年に制定され、今回の表彰で59回目となった。

 なお今年度は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、表彰式を中止した。受賞者には奨励金、表彰盾、記念品を贈る。

 選考理由は以下の通り。

 ◆陸上・鈴木雄介

 2019年9月にカタール・ドーハで行われた世界選手権男子50キロ競歩で、鈴木は五輪、世界選手権を通じて日本競歩界初となる金メダルを獲得した。夜更けのスタートながら気温30度超、湿度70%以上の過酷な条件の中、序盤から飛び出し、先頭を譲らずに4時間4分20秒で優勝。東京五輪代表に内定した。

 世界一美しいフォームを持つと言われる日本競歩界の第一人者。15年に20キロの世界記録を樹立したが、この後の世界選手権で股関節を痛めて途中棄権。以降3年近く表舞台から遠ざかったが、完全復活を果たして東京五輪に乗り込む。

 ◆陸上・山西利和

 男子50キロ競歩で鈴木雄介が優勝してから6日後の昨年10月4日、世界選手権初出場の山西は男子20キロ競歩を1時間26分34秒で制して続いた。7キロ付近でペースを上げてライバルの体力を削り、そのまま10キロ以上を独歩した。この種目では日本勢初制覇で、東京五輪代表に内定した。

 京大工学部卒業の“知性派ウオーカー”。京都・堀川高3年時に世界ユース選手権1万メートル競歩で金メダルを獲得した素質を、現役合格した京大でも磨き、17年にユニバーシアード20キロ金。18年アジア大会20キロ銀。現在は堂々の世界ランキング1位に君臨する。

 ◆トランポリン・森ひかる

 昨年11~12月に行われたトランポリンの世界選手権(有明体操競技場)で、森は日本トランポリン史上男女通じて初となる個人での金メダルを獲得した。決勝では大技トリフィス(前方3回宙返り半ひねり)を2つ組み込んだ構成をしっかりまとめ、35年ぶりの自国開催に加え、東京五輪本番会場のこけら落としを飾った。

 4歳のときにスーパーの屋上でトランポリンと出合った。13年の全日本選手権は14歳で当時史上最年少優勝。18年世界選手権はシンクロ競技で女子史上初の金メダルを獲得。歴史を築いてきたヒロインは、東京五輪でも頂点に挑む。

 ◆ラグビーW杯日本代表(特別賞)

 地元開催だった昨秋のW杯で、日本代表は過去最高の8強入りした。1次リーグ初戦のロシア戦をWTB松島幸太朗の3トライなどで白星発進すると、続く世界ランク2位のアイルランド戦は逆転勝ち。3連勝で迎えたスコットランド戦はプロップ稲垣啓太の代表初トライなどで制し、初の決勝トーナメント進出を果たした。

 リーチ・マイケル主将を中心に240日間の代表合宿で絆を深め、「ONE TEAM」のスローガンは流行語大賞にも選ばれた。ジャッカルやオフロードパスなども“にわかファン”に浸透。日本中にラグビーブームをもたらした。

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