33歳6カ月の徳勝龍、年長3位の初金星!生粋の阪神ファン“鳥谷パワー”で初日

 「大相撲春場所・6日目」(13日、エディオンアリーナ大阪)

 先場所、幕尻優勝を果たした平幕徳勝龍が横綱鶴竜を寄り切りで破り、初金星を獲得し、初日からの連敗を5で止めた。33歳6カ月の初金星は年長3位(年6場所制の1958年以降の初土俵)で、新入幕から41場所目は8位のスロー獲得(昭和以降)。奈良県出身で大の虎党は阪神からロッテ移籍の鳥谷敬内野手(38)にも力をもらい逆襲する。平幕御嶽海が大関とりの関脇朝乃山との全勝対決を寄り切りで制し、無傷6連勝。全勝は御嶽海、横綱白鵬、平幕碧山の3人。

 初優勝はまぐれじゃない。徳勝龍が得意の左四つで本領発揮。攻めをしのいで左下手で投げを打ち、鶴竜を崩した。最後はこん身の寄りで勝利を決めると思わず右拳を握った。

 前日の対白鵬が5年ぶりの横綱戦だった。連日結びの一番に挑み、33歳6カ月、新入幕から41場所目で、ついに初金星をつかんだ。

 「よしっ」と気を吐きインタビュー室に入ると、「ずっと負けていたので、『勝つ』と気合入れていくだけ、と思った」と興奮。目を潤ませていたが「全然、大丈夫」と涙は否定した。

 先場所は20年ぶりの幕尻V、奈良県勢98年ぶりの優勝で一躍、時の人になった。場所前には奈良に凱旋し、祝賀パレードに1万人が沸いた。新型コロナウイルス禍で無観客ながら、準地元で注目の存在。だが上位との総当たり戦で初日から苦闘が続いた。「三役以上は簡単には勝てない。自分のやれることをやる」と言い聞かせ前を向いた。

 6日目にして出た初日。「長かった」とかみしめた。座布団が舞わないさびしさも感じながら「結びの一番で勝てたのはうれしい」と笑みを浮かべた。

 幼少期から熱烈な阪神ファン。野球少年で捕手だったことから甲子園での始球式ならぬ“捕球式”を熱望。何と阪神球団から正式オファーがあった。近大の先輩、阪神・藤井彰人バッテリーコーチからもらったミットを準備していたが、本場所直前だったため泣く泣く断りを入れた。

 猛虎魂あふれる33歳にうれしいニュースがあった。“鉄人”鳥谷のロッテ移籍が決定。「タテジマはタテジマなので違和感がない。背番号00もかっこいい」。かつて熱狂した亀山つとむと同じ「00」に大いに力をもらった。

 優勝インタビューで「もう33歳でなくまだ33歳」と語っただけに、“まだ38歳”の鳥谷に負けられない。7日目は先場所千秋楽で優勝を決めた相手、大関貴景勝戦。「またいい相撲を取れるように頑張るだけ」とここから反撃だ。

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