高木美帆が史上5人目の2冠達成!万能を証明「達成できて良かった」

 「スピードスケート・世界選手権」(29日、ハーマル)

 500メートルと1000メートルを2度ずつ滑る「スプリント」で日本勢が男女アベック優勝を果たした。女子は高木美帆(25)=日体大助手=が初優勝。短距離から長距離の4種目で競う「オールラウンド」で18年に世界一に輝いており、短距離タイトルとの2冠は女子で史上5人目、日本勢では男女通じて初の快挙となった。2連覇を狙った小平奈緒(相沢病院)は2位。男子は新浜立也(23)=高崎健康福祉大職=が初優勝した。日本のスプリント世界一は、男子で83年と87年の黒岩彰、女子で17年と19年の小平に続く3、4人目。

 女子1000メートルの2回目。最終組で同走の小平に先着した高木美は、ガッツポーズで喜びを表現した。求められる能力が大きく違う「スプリント」と「オールラウンド」の2冠で万能ぶりを証明し「両方取りたいと思っていたので達成できて良かった」。まだ伸びしろさえ感じさせる25歳の若さで、離れ業をやってのけた。

 前夜に好発進しても「総合で競う大会。安心しているとかはない」と緩みはなかった。心身ともに休まる暇なく迎えた後半2レース。重視したのは500メートルだ。以前はリードを許してはいけないと「力みがあった」が、地力を増して落ち着けた。この種目の五輪女王、小平に0秒06遅れの2位と食らい付く。初日にリンク記録を塗り替えた1000メートルは疲れも見せずに1分13秒台を出した。

 短距離でも世界の頂点を争うまでに成長した背景には「刺激をもらえる」と語る八つ年上の小平の存在がある。国内でも、昨年挑戦した世界スプリント選手権でも高い壁に阻まれた。大健闘の2位をたたえる声にも「悔しい気持ちの方が強い」と静かに雪辱に燃え、持久力に爆発力を加えた。

 10年バンクーバー五輪で初の中学生代表、18年世界選手権では男女通じて初のオールラウンド世界一。日本のスピードスケート史を塗り替えながら、2年後の北京五輪へ進む。

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