200平泳ぎの新星・佐藤翔馬 日本選手権「2分7秒切る」五輪代表へ目標掲げる

 取材に応じる佐藤翔馬
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 競泳男子平泳ぎの佐藤翔馬(19)=東京SC=が11日、東京都豊島区の東京スイミングセンターで練習を公開した。佐藤は1月の北島康介杯(辰巳)200メートル平泳ぎで、昨夏世界選手権銅メダルの渡辺一平(トヨタ自動車)、同代表の小日向一輝(セントラルスポーツ)らを抑え、2分7秒58の好タイムで優勝。東京五輪代表選考会を兼ねた4月の日本選手権(東京アクアティクスセンター)へ「2分7秒を切ることが目標」と力強く掲げた。

 初々しい口調の奥に強い闘志がにじんだ。1月に好タイムを残し一気に注目が増した佐藤は、大勢の報道陣を前に「慣れないです」と苦笑い。それでも、激戦が予想される日本選手権へ「2分7秒を切ることが目標。自分の泳ぎをすればいけると思っている。勝つ気でいるので」と真っ向勝負を宣言した。

 父、祖父らが代々医者の家系に育ち、幼稚舎から慶大に通った生粋の“慶応ボーイ”。水泳を理由に授業を休むことはなく、かねて文武両道を貫いてきた。4時50分に起きて朝練に行き、9時から大学で授業を受けた後、再びプールに戻って練習することも珍しくない。年末年始の強化合宿も、授業のため他の選手よりも一人だけ遅く合宿地入りし、一人で先に帰ったという。

 躍進を遂げた北島康介杯も試験勉強に追われており、指導する西条健二コーチ(39)は「勉強して全然寝ていない中でも(好記録が)出せたのはすごく良かった」と高く評価した。試験も無事終わり春休みに突入。練習だけに集中できる環境が整い、同コーチは「タイムは上がっていくことしか考えられない」と期待に胸を膨らませる。“本気モード”で取り組んだときの成長度は計り知れない。

 目標は同じ東京SCで育った五輪2大会連続平泳ぎ2冠の北島康介氏。「08年北京五輪が最初に見たオリンピック。かっこいいと思った」。北島氏らから背中にサインをしてもらったジャージーは宝物。自宅のリビングに飾っているという。

 8日に19歳を迎えたばかりの“北島2世”は「10代最後。最高の年にしたい」。描くのは番狂わせではなく、必然の勝利だ。

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