豪栄道 次代を担う貴景勝に教えた勝負の厳しさ

 大相撲の大関豪栄道(33)=境川=が27日、現役引退の意向を固めた。師匠の境川親方(元小結両国)から連絡があったことを日本相撲協会の芝田山親方(元横綱大乃国)が明らかにした。年寄株取得手続きなどが完了後、正式に引退発表となる。9度目かど番の初場所で負け越し、大関から陥落が決まっていた。プロ15年、大関在位33場所は歴代10位。大和魂を貫き、愛されたナニワの大関が地元春場所(3月8日初日、エディオンアリーナ大阪)を前に潔く決断。引退後は親方として後進の育成にあたる。

 昨年初場所の千秋楽、貴景勝の夢を砕いた一番は豪栄道の生きざまを物語っている。埼玉栄高の後輩は勝てば大関昇進。一方の自身は勝ち越しを決めたが、優勝はすでにない。言わば“消化試合”で、鋭い立ち合いから、これぞ豪栄道という速攻で押し出したのだ。

 「横綱、大関も30歳過ぎて10年くらいずっといる人ばかり。そんなに続くのは珍しい。若い世代に負けてられない」。時代を築いてきた男の強烈な自負。全力ではね返すことで次代を担う後輩に勝負の厳しさを教えた。

 大関昇進が翌場所に持ち越しになった貴景勝だが、10歳上の偉大な先輩に感謝。2人にとっての恩師、埼玉栄高の山田道紀監督には「大関がありがたかった」と伝えた。貴景勝の大関昇進時の口上は「武士道」。豪栄道の大和魂は受け継がれていく。

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