「フィギュアスケート・全日本選手権」（２１日、代々木第一体育館）

　女子フリーが行われ、ＳＰ６位の本田真凜（１８）＝ＪＡＬ＝は冒頭のジャンプでの転倒もあり、フリー１１５・４２点、ＳＰとの合計は１８１・３４点で８位だった。ＳＰのように会心の演技とまではいかなかったが「自分らしく滑れた」と振り返った。妹の紗来が環境面で苦しんでいたことにも触れ「スケートって楽しいんだよっていうのを伝えたかった」と語った。

　冒頭の３回転ルッツを転倒。続く２回転アクセルは着氷したが予定された連続ジャンプにはならなかった。３回転ループは着氷。続くフリップジャンプは２回転になった。スピンをはさみ、演技後半へ入った。

　ステップシークエンスをはさみ、３回転ループに２回転トーループをつけたが軽度の回転不足。３回転フリップからの３連続ジャンプもエッジが明瞭でない判定と軽度の回転不足がついた。跳べていなかった３回転フリップをサルコーから変更して最後に入れたが、ここでもエッジが明瞭でない判定と回転不足がついた。

　回転不足が４本、エッジが不明瞭との判定が３本のフリップジャンプ全てについたが、演技後は「去年、一昨年よりは最後まで１つのプログラムとして滑ることができたと思う」と語った。「ＳＰと比べると最初のミスがあって、切り替えが難しかったですけど後半リカバリーして練習の成果を出せた」と反省と手ごたえの両面を口にした。「ＳＰまではいかなくても自分らしく滑れた。去年のように、気持ちが折れることはなかった」と振り返った。

　４人のきょうだいでスケート競技に取り組んでいるが、今年は一番下の妹・紗来が環境面の変化で苦しんでいたという。「スケートから離れようと思ったこともあった」ほどだったと妹を思いやった真凜は「“スケートってこんなにいいスポーツなんだよ”って伝えたかった」と吐露した。

　「（紗来は）リンク内で色んな事があって、すごく自分を否定するようなメンタルで、心配だった」、「一緒に練習しようと言って、米国で一緒に練習するようになって、最初は断られたりしたけど、今は前向きになった。すごく才能がある選手だし、頑張ってほしい。自分にないものを全て持っている選手。ファンとして応援してる」とも思いやっていた。