羽生結弦、充実V 冒頭4回転2本成功 GPファイナルでチェンと頂上対決だ

 「フィギュアスケート・NHK杯」(23日、真駒内セキスイハイムアイスアリーナ)

 男子フリーが行われ、ソチ、平昌五輪王者でショートプログラム(SP)首位発進の羽生結弦(24)=ANA=がフリー195・71点、合計305・05点で優勝した。女子フリーは昨年女王でSP2位の紀平梨花(17)=関大KFSC=が151・95点の合計231・84点で2位に入った。優勝はSP首位のコストルナヤ(16)=ロシア=で154・96点だった。GPシリーズ上位6人で争われるファイナル(12月5~7日・トリノ)には男子で羽生、女子で紀平が出場する。

 交錯する悔しさと充実感。演技を終えると、羽生はうんうんと何度もうなずいた。そして左手で指をさす。その先はジャンプでミスが生じた場所だった。

 演技後半、3連続を予定していた4回転トーループが2回転になった。その後のジャンプ構成を変え、ミスは最小限に抑えたが、リカバリーができたという事実は羽生にとってあくまで「おまけ」だ。「ループとサルコーを跳ぶのがこの大会の目標だった。一つ課題を超えられた」と、その2つの成功を喜んだ。

 昨季からフリーは「Origin」を舞うが、冒頭の4回転ループ、4回転サルコーの両方をプラスの出来栄えで決めたことは一度もなかった。2つの両立こそ「一番大事と思っていた」。練習では失敗も少なくなかったが、本番では加点のつく出来栄えでビシッと成功。プログラムの完成形へ「かなり前進した」と手応えを得た。

 2位に55点差の大勝で、GPシリーズ12勝目。2連勝で12月5日開幕のファイナル進出が決まった。会場はトリノ五輪と同じパラベラ競技場。同じ仙台市出身の荒川静香さんが金メダルを獲得した思い出の場所だ。

 また、幼い頃から憧れるプルシェンコ氏とウィアー氏へのオマージュが込められたプログラムを昨季から舞っているが、プルシェンコ氏は同大会で金メダル。ウィアー氏は同会場でSP「秋によせて」のモチーフである「オトナル」をフリーで披露している。「あのプログラムたちとともにいい演技をして、金メダルを取れたら」と羽生。最高の演技を披露するには、これ以上ない巡り合わせだ。

 GPファイナルは13年から16年まで4連覇を達成。「君臨していたいと強く思っていた」と言うが、アクシデントが続き、立つことすら許されなかった。3年ぶりの奪還へ。「ノーミスしたい気持ちが強い。どんな相手にどんな演技をされても、勝てるって自信を持った状態で演技をしたい」。今大会では抑え気味だった闘志を早速燃やし、羽生は進み続ける。

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