クライミング日本協会が混乱 代表選考基準巡り国際連盟を提訴 既に全代表決定か…

 日本山岳・スポーツクライミング協会は1日、都内で会見し、20年東京五輪の代表選考に関する解釈を巡り、国際スポーツクライミング連盟をスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴する手続きを行ったことを発表した。日本協会は18年10月に国際連盟が公表した基準を基に国内基準を決定し、19年5月に発表。8月に八王子で行われた世界選手権では、男女各1人の内定者も出た。ただ、10月に入り、国際連盟から解釈を変更したとみられる文書を受け取り、混乱が生じたため、異例となる提訴に踏み切った。

 日本勢のメダルの期待も高い新種目で、混乱が勃発した。日本協会の合田雄治郎常務理事は「本来なら国際連盟に刃を向けることはやりたくないが、見過ごすわけにはいかない」と、苦渋の決断であることを強調した。

 日本協会は18年10月に国際連盟が発表した基準に基づき、出場枠2に対し、8月に行われた世界選手権での2枠(7位以内に入った上位2人)、11月にフランス・トゥルーズで開幕する五輪予選での2枠(6位以内)、開催日・場所未定のアジア選手権の1枠(優勝者)の枠を獲得してきた最大5選手から2人を選出できると判断。疑義がある点は国際連盟に確認し、世界選手権の最上位を内定とし、残り1人は来年5月の複合ジャパンカップで決めるという国内選考基準を今年5月に発表した。これにより世界選手権の結果で男子金メダルの楢崎智亜、女子銀メダルの野口啓代のみが内定を得た。

 しかし、10月に届いた国際連盟からの文書では解釈が変わり、1カ国が最大で獲得できる出場枠は2枠までとなっており、世界選手権で7位以内の日本人2位だった男子の原田海(4位)、女子の野中生萌(5位)も事実上内定に。五輪予選、アジア選手権で枠獲得を目指す選手が五輪出場の道が断たれる可能性が浮上した。国際連盟側と協議を重ねてきたが折り合わず。五輪予選が終了する12月1日までに結論が必要なため、提訴に踏み切った。

 解釈の変更については国際連盟側は認めていない。合田常務理事は「(解釈の変更について)IOCの指示があったのでは」と、いぶかしがった。

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