貴景勝、秋場所出場明言「やることはやった」 貴ノ富士の暴力には「集中すること」

 大相撲秋場所(8日初日、両国国技館)

 右膝負傷で先場所全休し大関から陥落した関脇貴景勝(23)=千賀ノ浦=が5日、都内の部屋での場所前稽古を締めた。相撲は取らなかったが若い衆相手に踏み込みを入念に確認。基礎運動でみっちり汗を流した。師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)は「出場します」と明言。10勝を挙げれば大関復帰が可能な秋場所へ出陣する。

 先場所、無念の休場から復活を期し、2カ月、追い込んできた。「あとはコンディショニングと治療。自分の力を100%出しやすい体の状態に持っていく。順調。やることはやった。やっとという気持ちはあるし、どうなるのかなという気持ちもある」と勝負モードを高めた。

 関取衆と稽古したのは3日で15番は不安材料にはなる。右膝の痛みも日によってはまだ感じる。親方は「少ないけど、いろいろ考えてやっているから。(膝も)いい方向にいくと思う」と弟子の底力にかける。

 本人は「基礎の方が疲れる。昔から基本動作で強くなった。番数を取ろうと思うのではなく基礎運動。ケガする前と同じやり方でやっている」と、強気に臨むのみだ。

 夏場は母校・埼玉栄高で過ごし、高校生らと稽古をともにし、原点に戻った。自分と向き合う時間もたっぷりあった。「いろんな人に支えられてやっている。相撲で活力とか、元気になってもらうために頑張ろう。大関に上がる時はみんなの期待に応えたいとか人の喜ぶ顔を見たいと思ってやっていた。上がってから変な感情が出た。大関を守りたいとか自分のためにやっていた」。今はもう一度、応援してくれる人のため、死力を尽くす決意だ。

 場所直前に兄弟子の十両貴ノ富士(22)が再び付け人への暴力行為が発覚。何度経験したことか…。また、部屋がゴタゴタする中の初日となる。「自分はやるべきことをやるだけだし、もちろん難しい。いろんなことあるけど、僕は集中すること」。逆境をはねのけ、戦うのみだ。

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