「バスケットボールＷ杯・１次リーグ、日本７６－８９チェコ」（３日、上海）

　１次リーグ第２戦が行われ、Ｅ組で世界ランキング４８位の日本は７６－８９で同２４位のチェコに敗れ、２連敗で１次リーグ敗退が決まった。日本は前半、渡辺雄太（２４）＝グリズリーズ＝らが得点を重ねて競り合ったが、チェコの高さを生かしたプレーや要所での３点シュートで引き離された。八村塁（２１）＝ウィザーズ＝はチーム最多の２１点を挙げた。

　世界というのは、こうも遠いものなのか。日本は初戦のトルコに続き、チェコにも完敗し、初の欧州勢撃破はならず。勝利への希望を持って臨んだ２戦で２連敗。孤軍奮闘した八村も「後半ズルズルいってしまった。最後まで戦い切れてなかった」と、失望を隠せなかった。

　“八村頼み”の限界だった。トルコ同様、チェコも日本の大黒柱を徹底マーク。それでも絶対的エースはチーム最多の２１得点の活躍を見せた。八村自身も「２人、３人でこられたけど、（１５得点だった）トルコ戦より良かった」。随所にインパクトのあるプレーも見せた。第２Ｑには漫画「スラムダンク」で見るような両手でゴールにたたき込み、そのままぶら下がり吠える“ゴリラダンク”も披露（直前で反則を受けたため無効）。第３Ｑには２人に囲まれる難しい態勢でシュートを決めきり、再び突き放された直後には、今度は３人に囲まれながらダンクをねじ込んだ。

　ただ、それでもチームに流れがこない。ターンオーバーはチェコの５に対して、日本が１４。フリースローの成功率はわずか４４・４％（１８本中８本）。ミスで相手に流れを渡し、もらったチャンスも生かせない。３点シュートもチェコの１１本に対し、日本は４本。格上との戦いでは致命的だった。

　５日の米国戦を前に１次リーグ敗退が決まった。それでも３連覇を狙う強豪との最終戦を、ただの“消化ゲーム”にするわけにはいかない。八村は「相手がフィジカルも技術も上。絶対に気持ちだけは負けないようにしないと」と、必死に前を向いた。１３年ぶりのＷ杯の舞台。何も残さずには終われない。誰もが認める“最強”に、爪痕を刻む。