「柔道・全国高校総体」（１１日、鹿児島アリーナ）

　柔道男子１００キロ超級は、五輪２連覇を誇る故斉藤仁さんを父に持つ斉藤立（たつる、１７）＝東京・国士舘＝が２連覇を達成し、団体と合わせて２冠となった。今後は東京五輪を目指し、１次選考会である講道館杯（１１月、千葉）に専念するためジュニア世代の大会は回避する。また、来春からは国士舘大へ進学することを明言した。

　斉藤は左手首を痛めている影響もあって“怪物ぶり”が鳴りを潜めた。決勝は完全に組み負け、高橋（岡山・作陽）を投げられずに不完全燃焼。２連覇にも笑顔は少なく、「結果は良かったが、内容はダメダメ。練習不足、筋トレ不足で腕がパンパンになった」と、世界で戦う上でも重要な組み手の課題を明確にした。

　東京五輪出場を目指してジュニアの大会は一足早く“卒業”する。１１月の講道館杯に全神経を集中させるため、９月の全日本ジュニアと１０月の世界ジュニアは回避。現段階で五輪切符はかなり厳しい状況だが、「（可能性が）１％でもあるならチャンスをつかみにいきたい。本当にここからが勝負なので。男を見せられるように頑張ります」と１９０センチ、１６０キロの巨体を奮わせた。