貴景勝が休場「もう少し万全に治してから」 出場直訴も、師匠の説得に最後は折れる

 「大相撲名古屋場所」(7日初日、ドルフィンズアリーナ)

 右膝負傷で先場所を途中休場した大関貴景勝(22)=千賀ノ浦=が4日、カド番の名古屋場所を休場することが決まった。全休の見込みで来場所は関脇に降下する。新大関から在位2場所での陥落は00年名古屋場所の武双山以来、19年ぶり。秋場所で10勝を挙げれば、大関に復帰できる。

 この日の朝稽古後、師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)に出場を直訴したが師匠は休場を勧告した。名古屋市内の宿舎で約4時間以上の話し合いは平行線。師匠の説得も拒否し続けた。貴景勝がテレビ出演のため一時、部屋を退出。結論の出ないまま中断となった。

 テレビ出演後、再び宿舎に戻り、師弟会談が再開。その場で貴景勝が「休場させていただきます。話が長引いて申し訳ありません」と、ついに折れて休場を申し出。師匠は「よく考えて決断したな」と、了承した。

 先場所は大関として初となる休場→再出場→再休場。自身4度目の休場となる。会談後、貴景勝は取材に応じ、「自分の中で出るつもりでいたけど、親方に相談してやはり、何年後も見据えて、将来的にも考えた時、もう少し万全に治してからじゃないと、と。自分も考えてそういう判断、選択をした。幕内上位は甘くない。師匠の判断は絶対なので、僕も納得してそうした」と、語った。

 名古屋入り後、基礎運動を慎重に行い、2日から若い衆を相手に相撲を取る稽古を再開させた。「出るつもりで名古屋に入った。違和感があったら名古屋に来ていない。痛みはない」と回復を訴えたが関取衆相手に実戦稽古を詰めるまでには至らなかった。先場所も再出場し1日で再休場するなど、師弟で見通しの甘さを問われただけに同じ過ちを繰り返すわけにはいかなかった。

 貴景勝は全休か?と問われ「もちろん、そうです」と答えた。今後は東京に戻り、リハビリ、患部の強化にもう一度専念。「あくまで、もう一つ最後の番付を目指す」と秋場所はさらにパワーアップして戻って来るつもり。「5、6年後にこの経験があったから今の自分があると言えるくらいにもう1度気持ちを入れ直してやるしかない。誰のせいでもない。自分のせいでけがをした。強くなって帰ってこないといけない」。まずは来場所、10勝を挙げ、最短で大関復帰へ向け、全身全霊を尽くす。

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