【朝原宣治の目】サニブラウンは落ち着いていた 安定して10秒前後を出せる強さ

 「陸上・日本選手権」(28日、博多の森陸上競技場)

 男子100メートル決勝が行われ、9秒97の日本記録を持つサニブラウン・ハキーム(20)=米フロリダ大=が10秒02(向かい風0・3メートル)の大会新記録で2年ぶり2度目の日本一に輝いた。2位の桐生祥秀(23)=日本生命=を0秒14突き放す圧勝で、世界選手権(9~10月・ドーハ)切符をつかみ取った。

  ◇  ◇

 サニブラウン選手は貫禄勝ちというか、かなり落ち着いていました。準決勝の状態からみて、どれくらいのタイムが出るのだろうと思っていました。本人にとっては納得のいかない結果だったかもしれませんが、それでも10秒02。すごいと思いました。

 スタートは抜群に良かったというわけではありませんが、スムーズに出ました。ただ、伸びませんでした。もう少し早い段階でトップスピードに乗れたら、9秒台はいけたかもしれません。雨によって少し地面がぬれていた影響もあったかもしれません。

 2017年の日本選手権で1位になっていますし、そこからフロリダで練習を積み、新しい環境になじみ、高いレベルの中でやってきています。今は自信にあふれているし、そういう雰囲気を醸し出しています。

 桐生選手は、隣に前日負けている小池選手がいて嫌だったと思います。サニブラウン選手とは力の差がありましたが、スタートは良く、中盤から後半にかけてもいいレースをしました。小池選手はもしかしたら気負ったのかもしれません。このあたりが100メートルの難しさでもあります。

 実際にいろいろなところで出してきた今年のタイムと、勝負事になるタイムは違います。サニブラウン選手は安定して、どんなレースでも9秒97から10秒を境に速いタイムを出せます。そこが桐生選手や小池選手とは違うところでもあります。(08年北京五輪男子400メートルリレー銀メダリスト、「NOBY T&F CLUB」主宰)

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