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新十両の一山本 公務員から“脱サラ”で夢つかむ 年齢制限緩和制度適用で初関取に

部屋の力士らに十両昇進を祝福される一山本(中央)。一山本の左が師匠の二所ノ関親方。左から高田みづえ夫人、長女でタレントのアイリ
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 日本相撲協会は29日、東京・両国国技館で名古屋場所(7月7日初日、ドルフィンズアリーナ)の番付編成会議を行い、一山本(25)=二所ノ関=が新十両に昇進。千葉県船橋市の部屋で会見した。

 昇進は元歌手でおかみさんの高田みづえ夫人から伝えられた。「うれしかった。これからようやくスタートライン。稽古して頑張らないと」と、朗らかに笑った。

 新弟子検査時に23歳で初の年齢制限緩和制度を利用しての角界入り。同制度適用者では初の関取となった。中大卒業後は故郷・北海道の福島町役場に就職したが、大相撲への思いが再燃。“脱サラ”して転職し、2年半で関取をつかみ取った。

 順調に番付を上げたが、昨年名古屋場所で初の負け越し(3勝4敗)。翌秋場所で1勝6敗と大負けした。「順調に上がって壁にぶつかって。番付を落として。そんな簡単じゃないと思い知った。気持ちの面で弱かった。不安だった」と落ち込んだ。それでも「(公務員を)辞めて入ってきて(関取に)上がらないとという気持ちだった」と、“脱サラ”した以上、覚悟を持ってはい上がった。

 「(制度がなければ)まだ役場で仕事をしていた。両親も心配させた。恩返しできたかな。人に尊敬してもらえるお相撲さんになりたい」と新たな道をこれからも築いていく。

 角界入りの転機が地元で子供たちに相撲を教えていたこと。「子供たちを見てもう1回やりたいと思うようになった。子供には『引くな』と教えていた。自分も引かないようにしたい」と、故郷の教え子のためにも、まだまだ番付を上がる。

 同級生には夏場所で初優勝した幕内朝乃山(高砂)、十両豊山(時津風)らがいる。「刺激になる。(朝乃山の)優勝が決まった時、悔しい思いがあった。早く追い付きたい。対戦したい。若い力?そんなに若くはない」と笑わせた。

 しこ名はそのまま。「相撲部のOB会長に付けていただいた。山本が八画で九画がいいらしく一画付けた。その方も亡くなられた。変えないで頑張っていく」と決意を込めた。

 師匠の二所ノ関親方(元大関若嶋津)は17年10月に倒れ、一時は意識不明の重体となった。手術も受け、地道なリハビリで回復した。「リハビリを師匠が頑張っている姿を見て自分も頑張ろうという気持ちになった。恩返しできればと常に思っている」と感謝した。

 まな弟子とがっちり握手し、祝福した親方は「前に出る力は持っている」と力は評価。一山本は身長187センチ、体重130キロと関取では軽量。親方自身も細身で大関になり「南海の黒豹(クロヒョウ)」と呼ばれた。「食べて大きくなって、6、7キロくらい太れば。そうすれば三役」とハッパ。一山本も2杯しか食べられないご飯を「5杯食べます」と、増量を誓った。

 兄弟子の幕内松鳳山の付け人を務めており、助言も受けてきた。「突いて前に出ても、まわしを取ってもと見習いたい」と、目標とする力士だ。「関取(松鳳山)は顔は怖いけど優しい。松鳳山関で良かった」と、兄弟子の背中を追う。

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