トランプ狂騒曲 現職米大統領が大相撲初観戦 場内総立ち大歓迎も厳戒態勢…混乱も

 「大相撲夏場所・千秋楽」(26日、両国国技館)

 令和初の本場所で“トランプ狂騒曲”が吹き荒れた。ドナルド・トランプ米大統領(72)が夏場所千秋楽を観戦し、優勝した平幕朝乃山(25)=高砂=に米国大統領杯を授与した。現職の米大統領の大相撲観戦は初めて。場内では観衆から総立ちで歓迎された一方で、両国国技館とその周辺は厳戒態勢が取られたことで混乱も起こった。

  異例ずくめの対応だった。入場時には金属探知機を設置するなど空港並みの荷物検査を実施。「場内で座布団等の物を投げるなどの行為を行った場合は退場の上、処罰されることがありますので、絶対にしないでください」とし刑法第208条暴行罪の説明などが書かれた紙も配られた。

 そのためJR両国駅までつながる大行列が発生。満員御礼ながら十両の取組時には空席が目立ち、幕内の開始を10分遅らせたが、最初の取組に間に合わない観客もいた。ペットボトルは持ち込み禁止で、場内の自動販売機も「休場」との張り紙を張って停止された。

 場内では、トランプ大統領のため本来は座布団に座って観戦する正面升席の最前列にイスを設置し、その周囲の約100席をSPら関係者のために確保。残り五番となった朝乃山と御嶽海の一番の前には、同大統領入場のために進行が約5分止まり、両力士は土俵下で待ち続けた。

 それでも、トランプ大統領がメラニア夫人、安倍氏夫妻と姿を見せると、観衆は総立ちで歓迎。笑顔で手を振る大統領には無数のカメラとスマホが向けられた。

 トランプ大統領は、安倍首相、八角理事長(元横綱北勝海)の説明に耳を傾けながら観戦。警戒された結びの一番終了後の座布団投げは、番付通りの結果だったこともあってか、何も飛ばなかった。

 表彰式では土俵に上がりやすいよう、階段まで設置される特別待遇。トランプ大統領はすべて英語ながら日付は「レイワ・ワン」(令和元年)を使って賞状を読み、朝乃山に片手で表彰状を渡す一幕もあった。約30キロある米国大統領杯を西岩親方(元関脇若の里)の助けを借りながら持ち上げて授与した。

 歴史的な一日だったが、力士からは不満の声も出た。ペットボトルの持ち込み禁止が、取組が早い時間の力士には周知徹底されておらず、没収されるケースが続出。花道でのうがいにも使えず、あるベテラン力士は「ルーティンが崩れる。こっちは真剣勝負なんだからね」と話した。

 トランプ大統領は「本当に楽しんだ。見る価値のあるものだった。ずっと相撲を見たかった。すばらしい」とコメントし、大いに気に入った様子。再びやってくることはあるのだろうか。

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