平野歩夢1位通過 スノボと二刀流スケボーもすごい!冬夏五輪へまた前進

 「スケートボード・日本選手権」(11日、村上市スケートパーク)

 冬夏五輪出場を目指すスノーボード男子ハーフパイプ五輪2大会連続銀メダルの平野歩夢(20)=木下グループ=がパーク男子準決勝に出場し、68・70点の高得点をマークし、上位8人で争う決勝進出を1位通過で決めた。今大会は五輪に直結する国際大会に派遣される強化指定選手の選考会を兼ねており、先だって行われた日本オープンとの総合成績で上位3人が選ばれる。

 異種目といえども、一流の勝負師は勘所を心得ている。1本目を終えてトップに立った平野の頭は、3本目を迎えた時すでに翌日の決戦に向いていた。「決勝の練習のつもりでいった」。もう高得点を記録しているだけに失敗してもいい。高いジャンプとともに1回転半する大技「バックサイド540」を披露すると、3位に入った3月の日本オープンでは見せていなかったフリップ(板を空中で回転させる技)も成功させて大きく加点。前回からの短い期間で成長の跡を示した。

 2位に大差をつけても満足感はない。スノーボードで生命線だった空中技はこちらでは一要素でしかなく、「高さや飛び技ばかりではダメ。細かい部分が大事」。準決勝をトップで通過しようが決勝は一からの勝負。「本番はあした。今までやってきた練習を発揮することは難しいが、全力を出したい」と静かに闘志を燃やした。

 スケートボードで実績がない平野にとって、東京五輪に出場するにはここで強化指定選手になることが絶対条件だが、現実味を帯びてきた。今後開催予定の国際大会「デュー・ツアー」や世界選手権に出場してポイントを稼ぎ、来年6月の五輪ランキングで上位に入れば、冬夏五輪出場への道が開ける。

 スノーボードの練習の一環としてスケートボードに親しんできたとはいえ、ガチンコの競技生活はほぼ初めて。雪とは違い、無機質で堅いコンクリート上に落下すれば大ケガのリスクが常につきまとう。1月に右手を骨折したばかりだが、今大会の5日前には左手首を捻挫していた。

 重要なグラブ(板をつかむ技)もできないほどの痛みだったが、ガッチリテーピングで固定して勝負に挑んでいる。「大会になれば意地でもつかむようにしている」と、口数は少ない中にも確かなおとこ気をのぞかせる20歳。地元で東京五輪への挑戦権をグラブ(つかむ)するためにも必死に歯を食いしばる。

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