JOC会長に山下氏就任へ 6月退任の竹田会長後任に

 6月の任期満了で退任を表明した日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長(71)の後任に、柔道五輪金メダリストでJOC選手強化本部長を務める山下泰裕氏(61)の就任が確実な情勢となったことが5日、複数の関係者への取材で分かった。歴代最長の約18年に及ぶ竹田体制からの転換となり、東京五輪に向けて弱体化した組織の立て直しが早急な課題となる。

 実務面で山下氏を支える専務理事などの重要ポストに、外部人材を登用して強化を図る案も関係者の間で浮上している。JOCは東京五輪招致疑惑でフランス司法当局の捜査対象となっている竹田氏が退任するため後任人事に着手し、近く第1回の役員候補者選考委員会を開く予定。6月の評議員会で新役員を選出し、7月の理事会で互選により新会長を決める。

 関係者によると、他に候補に挙がったJOC常務理事で日本サッカー協会の田嶋幸三会長(61)や、JOC副会長の橋本聖子参院議員(54)はともにJOC以外でも要職を務めており就任に否定的。一部に異論も残るが、続投が有力視される理事らの間で国民栄誉賞を受賞した山下氏の就任に目立った反対意見はなく、誠実でクリーンな人間性が評価され、事実上一本化した。

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