十両炎鵬が勝ち越し 来場所新入幕に前進「一番一番しっかり準備する」
「大相撲春場所・13日目」(22日、エディオンアリーナ大阪)
身長168センチ、関取最小兵の十両炎鵬(宮城野)が若元春(荒汐)をかいなひねりで下し、連勝で勝ち越しを決めた。西十両2枚目で来場所の新入幕に前進した。
立ち合い、低く懐に潜ると相手の左腕をたぐって、ひねり倒した。愛称は“ひねり王子”。得意技を久々にさく裂させた。
「相手が出て来るのがわかっていた。逃げない。それだけを心がけた」と力を込めた。
入幕すれば、兄弟子、白鵬の横綱土俵入りの際の露払い、太刀持ち役を同部屋の石浦とともに務めることができる。横綱の宮城野部屋の目標が一つかなうことになる。
今場所は初日から3連勝発進したが、4日目、琴恵光(佐渡ケ嶽)戦で敗れた際、右肩を痛めた。馬肉をしっぷ代わりにして冷やしたり、電気などあらゆる治療を施した。部屋では朝、晩、トレーナーが付きっきりでケアを続けてきた。
「自分は左があるから。それを信じてやっている。一番一番しっかり準備する」。残り2日、気を緩めない。