羽生結弦「今の自分の100%」と自信 語録も全開「光って暴れる炎になっている」

世界フィギュアスケート選手権に向けて抱負を語った羽生結弦=さいたまスーパーアリーナ(撮影・堀内翔)
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 「フィギュア 世界選手権」(20日開幕、さいたまスーパーアリーナ)

 ソチ、平昌五輪2連覇の羽生結弦(24)=ANA=が19日、公式会見に出席した。昨年11月のロシア杯以来4カ月ぶりの実戦復帰に向けて「シーズン前の理想とは違うかもしれないけど、今の自分の中での100パーセントの状態。今季の自分の演技、練習、試合を含めて、すべての自分に勝ちきれる演技をしたい」と、意気込んだ。

 右足首の負傷以降については「まず試合に向けての体作りから始めて、足首はまだ完治してないんですけど、まず試合に出られる状態にすることに重点を置いてきた」。平昌五輪でも同じ右足首の怪我からの長期ブランクを経て、連覇を達成。「その経験をうまく生かせたと思う。(当時は)自分の中で1番大切だった試合(五輪)に、自分が納得いく演技をした上で優勝できた。怪我明けがどれほど苦しいか、経験した上で今回の準備に生かせた」と、うなずいた。

 直前には公式練習に参加。羽生が滑る姿を観衆に見せるのは、ロシア杯フリー以来、122日ぶり。リンクサイドに姿を見せると、有料観覧で詰めかけた観客からは、大きな歓声が沸き上がった。

 9分間じっくりとスケーティングで氷の感触を確かめると、満を持してジャンプ練習を開始。最初に3回転ループを決めると、続いてトリプルアクセルに成功。そして、あっさりと4回転の練習をスタート。4回転トーループ-3回転トーループ、4回転サルコーをいとも簡単に決め、不安を一掃した。

 SP「秋によせて」の曲を掛けた練習では、4回転サルコー、トリプルアクセルを成功。最後の4回転トーループからの連続ジャンプは4回転が抜けて2回転となってしまったが、情感タップリに演じ切り、約3000人の観衆を魅了した。その後の練習では負傷の要因となった4回転ループも完ぺきに成功させた。

 「調子どうこうは別として、やりたかったこと、感じたかったことを1つ1つ感じることができた。ミッションコンプリート。感覚よく滑ることができた」と、納得の表情で汗を拭った。

 ロシア杯のフリーの公式練習中、4回転ループを跳んだ際に右足首を負傷した羽生は、その後、フリーに強行出場し、優勝を飾ったが、日本に帰国し、精密検査を受けたところ、右足関節外側じん帯損傷、三角じん帯損傷、右腓骨(ひこつ)筋腱(けん)部損傷と診断。3週間の安静と1カ月の加療が必要とされ、12月のGPファイナル、全日本選手権を欠場した。日本連盟の定めた世界選手権選考要項の負傷者への救済条項により、今大会の代表入りを決めた。年明けから氷上練習を再開し、世界選手権に向けて調整してきた。

 会場のさいたまスーパーアリーナは、14年に初めて世界王者となり、GPファイナル、ソチ五輪と合わせて、史上2人目の3冠を達成した時と同じ思い出の会場でもある。2年ぶり3度目の世界王者へ、「怪我をしている時は油はあるし、火もあるけど、小さい部屋の中で燃えている感じだった。今は大きな箱の中で光って暴れる炎になっている。もちろん勝つことが1番大切だけど、相手だけでなく、自分にも勝って、勝ちたい欲求に素直に勝ちを獲りたい」と、羽生語録全開で勝利への強い意欲を示した。

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