萩野、日本選手権欠場で東京五輪へ暗雲 「今は正面から向きあえる気持ちではない」

 競泳で16年リオデジャネイロ五輪男子400メートル個人メドレー金メダリストの萩野公介(24)=ブリヂストン=が、今夏の世界選手権(韓国・光州)代表選考会を兼ねる4月の日本選手権(東京)を欠場することになった。15日、マネジメント会社が発表した。冬場の練習は順調にこなしていたが、原因不明の不調が続いており「今は競技に正面から向き合える気持ちではない」などとコメントした。

 世界の頂点を極めた男が、日本一を決める大会への出場を断念した。萩野は4月の日本選手権欠場を決断。発表されたコメントには「自分が『こうありたい』という理想と現実の結果の差が少しずつ自分の中で開いていき、モチベーションを保つことがきつくなっていきました」と苦しい胸中がつづられた。

 近年、冬のオフ期間はケガなどのアクシデントで練習を消化できない年が続いたが、今年は順調そのもの。それだけに、2月のコナミオープンで400メートル個人メドレーが自己ベストより17秒も遅いタイムに終わったことはショックだった。「期待していたタイムが出ませんでした」と萩野。高地合宿を回避して気持ちの回復を図ったが「今は競技に正面から向き合える気持ちではないことを受け入れ、今回の決断にいたりました」と説明した。

 指導する平井伯昌コーチ(55)は、電話で話した萩野の様子を「元気がなかった」と表現。高校3年で出場したロンドン五輪で銅メダルを獲得するなど、周囲の期待を背負い続けてきた競泳界のエースに対し「恐らく今、何のために泳いでいるのかという葛藤がすごくあると思う。立ち止まって、見つめ直すことが必要」と話した。

 五輪出場が断たれたわけではないが、世界選手権出場は極めて厳しい状況。平井コーチも「普通に考えてプラスではない」とし「危機的状況な所をどうプラスに変えられるか」と話した。復帰時期など今後の予定は「白紙」。来週以降本人と面談し、今後の方針を決めるという。

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