紀平、逆転V 今季国際大会6戦全勝!劣勢から4度目 世界選手権へ追い風
「フィギュアスケート・チャレンジカップ」(24日、ハーグ)
グランプリ(GP)ファイナル女王で16歳の紀平梨花(関大KFSC)が23日のショートプログラム(SP)66・44点の2位からフリー1位の141・90点を出して合計208・34点で逆転優勝した。今季の国際大会で負けなしの6連勝。昨季の世界選手権2位でSP62・70点で4位の樋口新葉(東京・開智日本橋学園高)はフリー2位の123・54点をマークし、合計186・24点で3位に入った。第3日の23日に男子で山本草太(中京大)が22日のSPに続いてフリーもトップの171・63点をマークし、合計253・87点で優勝。鍵山優真(神奈川FSC)が合計218・02点で2位だった。
フリー「ビューティフル・ストーム」冒頭の雷鳴は、もはや逆転劇開幕の合図だ。世界選手権前の最後の実戦でも“逆転の紀平”は健在だった。冒頭のトリプルアクセルを軸が傾きながらも意地で成功させると、そのままほぼ完璧な舞を披露。演技を終えると、力強く右拳を握った。これで今季、フリーは8戦すべて1位。逆転Vはこれで4度目だ。国際大会では無類の強さで6戦6勝とし、世界女王へのデモンストレーションを終えた。
「私の今できる最高かなというくらいの演技だった。フリーでは決めるしかないという強気が出た」
今月5日に亜脱臼した左手薬指はまだプラスチック製の器具で固定したまま。前日のSPでは精彩を欠いた。66・44点は今季自己最低点。スケート靴の調整に手間取り、演技直前になって跳ぶことを決めたトリプルアクセルは2回転半で着氷。連続3回転ジャンプは後半ジャンプが軽度の回転不足をとられると、スピンでも体勢を崩す大きなミスがあった。それでもフリーではしっかり修正し、本領発揮してみせた。
次戦はいよいよ自国開催の世界選手権(3月20~23日・さいたまスーパーアリーナ)。「何度優勝しても一番重要なのは世界選手権なので、そこで勝たないといけない」。破竹の勢いを見せる16歳が、日本女子最年少での世界女王戴冠に挑む。




