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【一問一答】元稀勢の里・荒磯親方「時間を戻せるならば…2年前の4月に戻したい」

 1月の大相撲初場所限りで現役を引退した元横綱稀勢の里の荒磯親方(32)が、6日までに共同通信のインタビューに応じた。日本出身横綱として絶大な人気を誇りながら、昇進後は故障に苦しんだ。第二の人生や相撲への思いなど、率直に心境を吐露した。

  ◇  ◇

 -引退した心境は。

 「稀勢の里としては悔いなし。一力士としては、やり切った。でも萩原寛という一人の人間としては、まだまだ悔いあり。相撲が好きだから、取れなくなるのは寂しい。40歳までやりたかった」

 最後は情けない

 -約17年の土俵人生を振り返って。

 「最後だけを見ると情けない成績で引退したが、厳しい鳴戸部屋に入って早く十両に上がれた。全体的に見ると、いい相撲人生で幸せ者だ」

 -横綱昇進の感想は。

 「初めて綱を腰に締めた瞬間、全ての感情がぶっ飛ぶほどにうれしかった。言いようのない重みを感じた。日本人として最高の気持ちだった。常に夢見心地で、土俵入りなど全てが本当に幸せだった。横綱になれたから、悔いなしかな」

あの音は忘れない

 -新横綱の2017年春場所で負った左大胸筋のけがは重かったのか。

 「(13日目の)日馬富士戦で『ブチッ』という音が聞こえた。左突き落としを狙ったときで、あの音は忘れることができない。左腕を遠くへ持っていかれるような感覚。痛みも相当だったし、断裂もしていた」

 -負傷後の2場所の強行出場が裏目だった。

 「それまでの自分は休場が1日しかなかったから、休むという発想がなかった。4場所休んで、翌年1月の初場所が勝負と思えていたら…。時間を戻せるのならば、2年前の4月に戻したい。手術をするか否かなど、じっくりと考えたかった」

 -進退を懸けた初場所前の心理状態は。

 「布団に入れば2秒で寝る自分が、場所前の夜はなかなか眠れなかった。スーツを買っている夢で目が覚めて『違うぞ、違うぞ。駄目だ、駄目だ』と言い聞かせていた」

 -一方で場所前は「調子がいい」と言った。

 「あえて前向きなことを言葉にして、逃げていたのかもしれない。好きな相撲を、もう取れなくなるのかもしれないというのが怖くて、ため息をついた夜もある」

   横綱は格別

 -横綱在位は約2年。

 「15年かけて横綱になったが、この2年間は同等に思えるくらいに長かった。横綱は別格。全く違う世界だった」

 -力士に望むことは。

 「古くからの力士像というものがある。テレビ番組やSNS(会員制交流サイト)でちゃらちゃらしたところは見せてほしくない。黙々と相撲を取って人気があるような、昭和を思わせる力士を自分は育てたい」

 -思い描く親方像は。

 「現役時代と違って、これからは自分の意見や考え方を外へ出していかなければ、親御さんにはお子さんを預けたいと思っていただけない。発信も大事だと思っている。日本相撲協会のため、現役力士のために頑張っていく。勉強が必要なので、哲学書や小説、啓発本など段ボールだらけになるほど本を買っている」

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