水谷隼、卒業V10!前人未到2桁で区切り「勝って去りたい」涙の優勝インタビュー

 「卓球・全日本選手権」(20日、丸善インテックアリーナ大阪)

 男子シングルス決勝で、リオデジャネイロ五輪銅メダリストの水谷隼(29)が、大島祐哉(24)=ともに木下グループ=に4-2で勝ち、単独最多を更新する10度目の優勝を果たした。水谷は試合後、今回で全日本選手権への出場が最後になる見通しを明らかにした。2連覇を狙った張本智和(15)=エリートアカデミー=は、準決勝で大島に3-4で敗れた。

 突然の全日本引退宣言だった。節目の10回目の優勝をもぎ取ると、水谷はユニホームを脱ぎ、上半身裸になり、観客席に飛び込んだ。涙をぬぐった後、コート上で応じた優勝インタビュー。2年ぶりの王座奪還の余韻に浸りながら、最後に自ら切り出した。

 「V10を達成できたら、全日本は最後と思っていた。勝ってこの舞台を去りたい。来年は出場しないんじゃないかと思う」。17回出場した大会からの卒業に、5050人の観衆はどよめいた。

 13年連続で臨んだ決勝。相手は張本ではなく、ダブルスパートナーの大島だった。「張本だったら分も悪いし25%。単純に50%に上がると思った。負けて楽になりたいと思うけど、どこかでそれを許さないんでしょうね」。第1ゲームは競り負けたものの、サーブ、レシーブで先手を取り、大島の強打を何度もブロック。ミスを誘う鉄壁のディフェンスで3ゲームを連取し、流れを引き寄せた。

 張本の存在も闘志に火をつけてくれた。「ちょっと調子に乗りすぎていた。『簡単に勝ってきます』とか言っていた。謙虚にいかないと足をすくわれることを、彼がぼくに教えてくれた」。5連覇と4連覇を成し遂げている29歳は、2連覇に失敗した15歳の一挙手一投足を反面教師にしていた。

 「これで若手たちは水谷を倒そうという気持ちになると思う。まだまだ壁になる。次の目標は東京五輪の出場権を勝ち取ること。本当はリオで終わる予定だったけど」。2020年。2大会連続の五輪メダルを競技人生の集大成にする。

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