吉田沙保里、一番印象深いメダルは…数ある金よりもリオの銀 敗戦を財産に
レスリング女子で五輪3連覇を達成し、引退を表明した吉田沙保里(36)=至学館大職=が10日、都内で引退会見を行った。引退発表のツイッターで過去の17個のメダルの写真を掲載していた吉田。「一番印象に残っているメダル」と問われると、数ある金メダルではなく、唯一の銀メダルを挙げた。
「最後のリオのオリンピック。一番誓いというのもあるかもしれないんですけど、負けた人の気持ちがよく分かった大会になりまして…」。
続いたのは、吉田にしか言えない言葉だった。
「リオの前までは(世界大会)V16で一番高い表彰台に上っていて、『ああ、やったあ…勝ててよかった。うれしい』という気持ちしかなかったところに、リオのオリンピックで初めて2番目の表彰台にのぼった時に、『ああ、負けた人ってこういう気持ちだったんだな』ということを私は感じましたし、こうやって戦う仲間がいたから、今まで頑張ってこれたんだなと」
ライバルの存在がいたからこそ、自身の金メダルがあったことをあらためて自覚したという吉田。「本当に負けて得るもの、負けて知るものを思えばすごく大きかったなと。私自身にも成長させてくれたなと思います。リオのオリンピックの銀メダルが私的には一番成長させてくれたんじゃないかなと思い出に残っています」。負けたことがあるということが、今後の吉田沙保里にとって、きっと大きな財産になる。



