阿部詩、世界切符 準決で17年世界女王を“23秒殺” 決勝で“天敵”を初撃破!

 「柔道・グランドスラム大阪大会」(23日、丸善インテックアリーナ大阪)

 女子52キロ級は世界選手権女王の阿部詩(18)=兵庫・夙川学院高=が2連覇した。準決勝で17年世界女王の志々目愛、決勝はアジア大会王者の角田夏実(ともに了徳寺学園職)を撃破。9月の世界選手権に続いて優勝したことで19年世界選手権(東京)代表に内定した。男子66キロ級は世界王者の阿部一二三(21)=日体大=が、丸山城志郎(ミキハウス)に敗れた。男子60キロ級は世界選手権銅メダルの永山竜樹(東海大)、女子48キロ級は同銀メダルの渡名喜風南(パーク24)が優勝した。

 東京五輪に向けた代表レースでトップに躍り出た。因縁の天敵を攻略した阿部詩は、感情を爆発させるでもなく地元関西の応援団に拳を突き上げて応えた。「自分で言うのもなんなんですけど、強くなったなと思う。優勝できてホッとしている」。反則勝ちを含むオール一本も達成し、貫禄さえ漂わせた。

 もう18歳の衝動を前面に押し出す攻撃柔道一辺倒ではない。過去3戦全敗だった角田に対し、慎重に組み合いながら延長戦で粘り勝った。「がむしゃらに前に出るのが自分の柔道だが、3回負けている。攻めるときは攻めて、守るときは守る。考えることが大切だと」。自分が負けた試合の映像は大嫌いで見たことがなかったが、10月から暇さえあれば動画投稿サイトYouTubeで映像を見返して敗因を探った。「4回も(同じ相手に)負けたら話にならない。負けた経験を生かさないと」。苦い経験を“大人の柔道”として昇華させた。

 準決勝も衝撃を与えた。志々目を開始23秒の内股透かしで料理。「狙っていたわけではないが、自分も内股に入ろうと思ったときに入ってくれてタイミングが合った」。三つどもえと見られていた代表レースで、大きく前進をアピールした。

 リオ五輪女王のケルメンディ(コソボ)とはまだ対戦がない。未知なる強豪を倒すためにも、代表内定の特権を使い、来夏に向けて自己流の調整プランを練る。「新しいことに挑戦して苦手なことや得意なことを見つめ直したい」。輝きを増す天才少女は、絶対女王への階段を駆け足で上る。

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