高安関門突破 過去9勝8敗の栃ノ心を豪快上手投げ 1敗貴景勝と一騎打ちムード

 「大相撲九州場所・12日目」(22日、福岡国際センター)

 大関対決は高安が栃ノ心を豪快な上手投げで仕留め、2桁10勝目を挙げて2敗を死守した。大関豪栄道が右上腕部を負傷し12日目から途中休場したため、今場所の番付最上位となった西正位大関が逆転初優勝を目指し、単独トップの小結貴景勝を1差ピタリと追走する。貴景勝は玉鷲を突き落として自己最多タイの11勝目で1敗を守った。2敗だった大栄翔、碧山が3敗に後退。優勝争いは貴景勝、高安の一騎打ちムードとなってきた。

 高安が悲願の初優勝へ、大きな関門を突破した。怪力栃ノ心に体ごと当たった。右四つに組み止めながら、腕(かいな)を返して相手得意の左上手を与えなかったのが勝因。体を開いて左上手をぶん回し、相手を土俵外に豪快に吹っ飛ばした。

 過去9勝8敗だった強敵を倒し、今年4度目の2桁星。「前に出て勝つのが一番なんですけどね」と投げで決めたことは反省材料ながら、「踏み込んでいって突いてもまわしを取っても前に攻めようと思った。しっかり力を出そうと思った」と納得の力勝負だった。

 10年九州場所で平成生まれ初の関取に昇進した。“平成の申し子”として平成最後の九州場所で負けられない。貴景勝を1差でピタリ追走。大栄翔、碧山が3敗に後退したため、一騎打ちムードとなってきた。

 豪栄道が休場し、西正位大関の自身が番付最上位となった。大関として意地がある。ましてや今場所は兄弟子で一人横綱を務めた稀勢の里が初日から4連敗し、休場に追い込まれる姿を間近で見てきた。弟弟子の自身が責任を果たさねばならない。

 八角理事長(元横綱北勝海)は「高安は大関の仕事をしている」と評価。審判長の藤島親方(元大関武双山)は「稀勢の里の分も背負っているのは(気持ち的に)大きい」と胸中を思いやった。

 後半戦は4連勝。場所前の出稽古で連日30番以上の番数を重ね、スタミナ面に不安はない。13日目、好調の大栄翔を突破し、直接対決に弾みを付けたい。「悔いのない相撲を取る。集中してうわつかないように」。今年は12勝3敗で優勝次点が2度。もう準優勝はいらない。

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