相撲協会が「暴力決別宣言」、八角理事長が読み上げ 元日馬富士の事件から丸1年

 元横綱日馬富士の傷害事件を受けて設置された日本相撲協会の第三者機関、暴力問題再発防止検討委員会が19日に提出した最終報告書に関し、25日、八角理事長(元横綱北勝海)ら相撲協会側が都内で会見した。同委員会からの調査結果、提言を受け、7項目の「暴力決別宣言」、「暴力問題再発防止策」の方針が示された。

 「-決別宣言」は、理事長自らが読み上げる形での決意表明となった。

 【1】いかなる暴力も許さず、【2】師匠が部屋における暴力を根絶すること、【3】意識改革のため内容の濃い研修をすること、【4】暴力禁止規定を定め制裁、処分の手続きを明確にすること、【5】広報を重んじ情報の迅速な開示、【6】異なる部屋に所属する力士の間で先輩・後輩を越えた上下関係、指導・被指導の関係を許容しない、【7】今後の再発防止策の実行は外部有識者を交えて検証すること、が盛り込まれた内容となった。

 「-防止策」は危機管理部長の鏡山親方(元関脇多賀竜)が説明。新弟子、兄弟子、関取と3段階に分けた研修の実施、関取が付け人を酒席など夜遅くまで連れ回さないよう指導することなど具体例が述べられた。

 暴力問題の事実調査や処分を決めるコンプライアンス委員会も設立し、各一門の親方に加え外部委員もメンバーに加える。「メンバーもほぼ決まっている」とし遅くとも来年2月までには発足する。外国人力士に対する指導強化に関しても有識者会議を新設し対応していく意向だ。

 昨年10月25日の夜、元日馬富士が幕内貴ノ岩に暴力を振るい頭部に重症を負わせた衝撃の事件が鳥取市内で起きて以来、丸1年。幕引きであり、これが始まりとも言える。

 八角理事長は「今後、表明した通り実行していく。研修会を粘り強くやっていく」とキッパリ。

 委員会の報告書では横綱白鵬(宮城野)が元日馬富士の暴力に対し「愛のムチ」と答えたことも明かされた。尾車事業部長(元大関琴風)は「愛のムチといえども暴力は絶対にいけない。横綱であろうがきちんと認識してもらう。粘り強く語りかけていかないと。意識改革をやっていく」と決意。鏡山部長は「鉄拳制裁、愛のムチはなきもの。言葉で伝えていくしかない」と、話した。

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